Hagieen

座頭市兇状旅のHagieenのレビュー・感想・評価

座頭市兇状旅(1963年製作の映画)
3.6
勝新太郎主演。シリーズ4作目。

市の首に掛けられた賞金目当ての刺客を返り討ちにするも、母親に金を届けてほしいと遺言を残す刺客。恨みで命を狙われたわけではなく、親孝行からの気持ちと汲み取り刺客の母親を訪ねる。
土地の若親分佐吉の襲名の為に働く母親を訪ね詫びる市。そこには親分衆が集まり、襲名を祝うと称しながら佐吉の縄張りを奪う陰謀があった。

市がかつて思いを寄せたおたね。市の思い出に残るかつてのおたねと、渡世を渡ってきて生きるために否応なしに半分ヤクザな世界に身を落としている現在のおたね。市との再会でおたねは自身の過去と今とのギャップに揺れ動く。このおたねというキャラクターの存在が、より市の純粋さを際立たせる。

ヤクザな世界なので恫喝や激しいやり取りも見せるが、市の優しさや純粋さがこの座頭市というキャラクターの魅力で、見えない目でそういった世界の暗部を見抜き、巨悪を斬っていくというのは実によくできたキャラクターだと思う。
かわいらしさと凄み、勝新ならではハマり役だと思う。
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