Jun潤

かかってこいよ世界のJun潤のレビュー・感想・評価

かかってこいよ世界(2023年製作の映画)
2.6
2023.08.29

(多分)ポスターを見て気になった作品。

脚本家志望のフリーター、真紀はある日バイト先の居酒屋で客とトラブルを起こしてしまい、クビになる。
その場に偶然居合わせた映画配給会社の社員、国秀は真紀と彼女が持っていた脚本に興味を持つ。
一方バイトをクビになった真紀は、祖父が経営しているミニシアター「白鯨坐」で働き始める。
数年前に亡くなった母と来て以来、久しぶりに白鯨坐に来た国秀は、真紀と再会する。
そして真紀の脚本制作のために日々を共に過ごす二人。
国秀の会社では、韓国の大学生が作った映画を配給しようと動き出しており、国秀は白鯨坐での上映を目指して動き出す。
しかし、真紀と国秀の間には、透明で厚い壁があるのだった。

う〜ん、、。
今時こんなコテコテのネトウヨ民みたいなのいますかね??
そりゃ探せばいるかもしれませんが、どうにもこんなに表立って行動するような人が未だにいるかには懐疑的…。

そもそも僕の記憶だと大体20年近く前に北朝鮮とかの問題が表出してきて、そのあたりから在日の存在を認識した気がしますが、今にして思うと別に新たに親しくなった人のルーツが日本人じゃなかったとしても、日本の文化に触れて日本の言葉を話していれば日本人だと思うし、そうでなくても仕事や感情で繋がっていれば国籍なんて関係ないんじゃないのかなあ。
綺麗事かもしれませんが、実際海外旅行やインバウンド、留学生に多国籍企業、外国人採用などなど、身の回りの状況や変化を見れば純日本人ばかりではなく、それでも十分に生活が回っているのだから、全然良い方向に来ているとは思うんですがね、個人的には。
それに自分や親しい人のルーツなんて、知れる範囲でもせいぜいひい爺ちゃんぐらいで、それよりも前に海外の血が入っている可能性だって十分に考えられるのだから、今更純血主義なんてのもどうかと思いますがね。
なので真紀の国秀に対する感情の変化とタイトルの『かかってこいよ』とのリンクに対しては、作品の外側から見ると今更感が否めない。

作中にもいましたがネトウヨ民が言う被害者ビジネスというのにもどうにも疑問符が下がらない。
実際に戦争被害に遭っている国だし、自分達だって毎年8月が来る度に原爆のことを思い出して、今年ついに『オッペンハイマー』の上映が危ぶまれるまでに来ましたよね。
これはアメリカの配給会社からしたら被害者ビジネスというか、被害者思考のために日本での興行収入が見込めなくなったとも言えるんじゃないですかね。
戦争のことを考え続けるのは殊勝なことですが、そろそろ自国が戦争当時にやったことに目を向けてもいいのでは??
もっとしっかり考えてる人もいると思いますが、今作で真紀が見ていたのはSNSに群がるダルダル思考だけで、それで自分の感情を振り回すのは流石にどうなのか。

と、ここまで書いているとそんなに考える余韻が今作にあったんだと思われてしまいますが、むしろその逆。
こんな今時目にしないコッテコテのネトウヨ純血主義みたいな登場人物ばかりだと、ストーリーの方もまぁ、うん…て感じです。
Jun潤

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