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映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)のmichikoのレビュー・感想・評価

4.0
ドラえもん映画シリーズ43作目。
本シリーズの視聴した作品数は少ない自分だが、過去最高に良かった。何度も泣いてしまった。

本シリーズは別世界や別の星などで冒険を繰り広げる事が多かったり、黒幕は未来人といった様にお決まりのパターンが多かった様に思う。同様の子供向け作品である『クレヨンしんちゃん』と比較してもストーリーの幅が狭く感じられ今までそこまで興味を抱いていなかった。
本作でもある意味別の星での話ではあるが、現実世界のこの地球とのリンクがしっかりと描かれ、遠く離れた危機では無く、我々にも影響を与えつつある危機として身近にリアルに描かれる。様々な伏線回収が巧く、最後のタイトル回収も素晴らしかった。
そして映画を観た後、家に帰ってお風呂に入りながら、「あ!これドラえもんで言っていた事だ!」と身近な化学の学習を持ち帰れるのも良い。うちの子供も小学校で楽器を演奏する度に本作を思い出すのでは。また本作のキーアイテムである約4万年前の世界最古の楽器は上野の国立科学博物館に本当に展示されている。こういった身近な事柄に少し不思議を混ぜて展開するストーリーは非常に良かった。
唯一残念なのがこれだけ壮大な話で地球全体での勝利だったとしてもこの危機を理解しているのはドラえもん達だけという事。まぁそれがドラえもんらしくもあるのだが。

本作の評判を聞いて観てみて本当に良かった。シナリオと同時に本作は半分がシンフォニーを楽しむ様な作品。映画館の大画面で大音量で体験できて良かった。
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