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ボブ・マーリー:ONE LOVEのTotoireのレビュー・感想・評価

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)
3.3
レジェンド歌手伝記物作品。ストーリーはボブとリタを中心に展開されていくけどもなんかどれも薄い感じで淡々と。肝である銃撃シーンもなんかあっさり。国内の動乱から欧州へ拠点を移すことも、皮膚がんの発覚やジャマイカへの帰還、コンサートの開催もどれも表面的になぞって終了した感が否めなくて上がりまくってた事前の期待値からだいぶ落とされゲンナリしてしまった。

本当はラスタの思想は資本主義に代表されるバビロンシステムへの抵抗と反発、世界中で虐げられてきた黒人や地位の低い農民層の歴史から生まれ、予言されたエチオピアの黒人の王の誕生と自然回帰。日本の八百万や天皇制・神道とも親和性ありそうに感じられるし、ジャマイカの国体とも言える価値観なだけに、どこかの視点やシーンだけでも核となるメッセージを掘って欲しかった。ドレッドヘアーもガンジャも、金ではなく愛を問うのも、全て意味があるのに。。

それらがない中でジャーやらラスタファーライと連呼されるだけでは流れるように時間が過ぎ去ってしまって。コメントでも散見されるけど映画コンテンツとしての『ボヘミアンラプソディ』やライブエイドシーンのクオリティの圧巻さと比較しちゃうとどうしても物足りない。ボブ・マーリーってレゲエの神よ?もうちょい脚本頑張ろうよ。
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