A8

ナポレオンのA8のレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
3.9
大画面のスクリーンで観るべき映画とはまさにこの作品のこと!そう言わんばかりの大迫力戦闘シーンは指を咥え食い入るように夢中になった。

ナポレオンの半生を描く今作。
キャッチコピーでもあるように“英雄かー、悪魔かー”と言う二面性をどのように表現するのだろうかと思っていた。だけど、それらのように英雄、悪魔という人間的じゃない表現で彼の姿を描くわけではなかった。
彼の最愛の妻“ジョセフィーヌ”との関係性、戦に捉われ過ぎた彼の苦悩、そして歯止めが効かない彼の野望、、このようにナポレオンという1人の人物を人間的な姿でうまーく表現されていた。確かにこの作品は、圧巻の戦闘シーンに注目がいくと思うが、ナポレオンという人間を、真の姿をうまく捉えていたこともかなり印象的。

最愛の妻ジョセフィーヌとの関係が恋愛映画を観ているように徐々に魅了されていく。最初は、ナポレオンに対してあまり興味がなかったジョセフィーヌは、不倫をする始末。だが、その不倫がバレてしまう。そこからガラリと変わり2人の関係に“愛”が現れるのであった。しかし、ある出来事により離婚し、彼の元を去ったジョセフィーヌ。そんな2人の姿はなんとも切ない気持ちになる。特に彼の子どもを抱っこするシーンはかなり切ない。
こんな気持ちにもなるとはいい意味で裏切られた。
フランス、、軍隊、、ジョセフィーヌ。

目的のためには、全て捨てる覚悟を持つ彼の強い意志、そして恐ろしいほどの自信と、野望、類稀なる才能それらを投影するように表現したホアキンフェニックスの演技は素晴らしかった。

“目的”に魅了され、その自分自身に魅了されていく人々。強い信念を持ち、目的のためなら全てを惜しまない“ナポレオン”という男の偉大さや、最愛の妻ジョセフィーヌを通して現れた彼の人間的な部分。それを対比させるように進んでいくストーリーはとても見応えがありり、戦闘シーンはさすがの“リドリースコットの大作”であった。
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