ゴト

インビクタス/負けざる者たちのゴトのレビュー・感想・評価

3.7
ワールドカップは終わりましたが、ラグビー熱は未だ冷めやらぬ感じですね。少し遅いですが、南アフリカ優勝おめでとうございます。にわか以下の素人な自分も友人に勧められ、なんやかんやでワールドカップ観てました。

で、南アフリカ代表は3回目の優勝を果たすわけですが、1回目の優勝は自国開催の時、しかも初出場、しかも大統領はあのマンデラ。演じるのはモーガン・フリーマン。

これも「グラン・トリノ」に近いというか、継承するということに光を当てているように見えた。人種対立を描きつつも、それを乗り越えて受け継がれていくもの、という感じがどことなく似ている。ぶつかり合うのではなく、あくまでもマンデラから見たスプリングボクスのキャプテン、ピナールという描かれ方がされている。まあ、相手が大統領ですから、たとえ人種的に対等でも立場的には意見を闘わせるというのも中々出来ませんが。

南アフリカ代表はワールドカップ初出場で初優勝という偉業を成し遂げたわけですが、その要因にマンデラが直接関係しているわけではないので、弱小と言われていたチームが如何にして優勝するに至ったかという視点で観るとピンとこないかもしれません。

しかし、アパルトヘイトが撤廃された直後の南アフリカをワンチームにしようとしたマンデラの不屈の思いは確かにピナールの胸に刻まれ、ラグビーを通して多くの人に伝播した。それは同時にスポーツというものが持つパワーの素晴らしさを証明したということでもあると思う。
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