トモ

市子のトモのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.6
突然彼の前から姿を消した川辺市子。何が起きたのかもわからぬままその行方を辿るうちに「市子」という人物と壮絶な過去と真実を知ることになる

時に巧妙に時間を行き来しながら、関わってきた人物を目まぐるしく断片的に描いていきながら積み重ねて市子という人物像と背景を「辿り」浮かび上がらせていく構成は重厚で見応えがあり好みでもあるが内容が内容だけにずしりと重い

普通に暮らせている人間ならば日常触れることのないかも知れない様々な社会問題も捉えられ考えさせられるし、

関わる上でその人の何を知っていてどの部分(時期)を自分は知っているのだろうかという根底部分にハッともさせられる

名優杉咲花ちゃんをもってしても非常に困難な役なのは分かる。恐らく十代~二十代の計り知ることのできない繊細な心情や(語弊があるかもしれないが)悪魔的な内面をも見事に演じ遂げていたと思う。特に後半の花ちゃんに一番近いであろう年齢の演技は個人的に杉咲花の経年による演技の進化を実感

市子の過去が壮絶なら真実に近づく長谷川も同様で若葉竜也君も素晴らしい

森永君の役は引き続き○○だったがさすがの演技力

ちなみに杉咲&若葉&倉の「おちょやん」メンバーにテンション上がってウキウキしてたのは観る前までの話

エンドロールもお見事
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