順慶

市子の順慶のネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

うるさいほどセミが鳴いているオープニング。夏の暑い日。

市子は、プロポーズをされ、結婚届を差し出された翌日に失踪した。何も持たずに。
テレビのニュースは白骨化した遺体が発見されたというニュースが流れている。

プロポーズをした長谷川と事件を追う刑事が、市子を探す。
市子を知るそれぞれの過去。それぞれの視点で語りながら市子の人物を明らかにしていく。
スクリーン右下の日付のカウンターを追いながら、市子の過去を知る。

ミステリーの構造で、少しずつ明らかになっていく過去。
月子の存在。介護の問題。
ショートケーキを4個だべてたり。
それでキキとケーキ屋をする夢を受け入れたのかとか。
突然の豪雨で、市子は雨にあたりながら「全部流れてしまえー」と笑顔で叫ぶ。

1人で生きていくしかないという強い意志。そうするしかない環境。見ていて辛いけど、それ以上に市子は強かった。簡単に感情移入させてくれない。

そしてラストカットが、オープニングと同じシーン。うるさいセミの鳴き声。暑い夏。
えっ? ここで終わるの? と思った。すっきりしない。
でも、市子は冬子として生きていくのだと思った。

なんか不条理だな。犯罪はすべて太陽のせいにすればいい。
順慶

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