滝井椎野

青春ジャック止められるか、俺たちを2の滝井椎野のレビュー・感想・評価

4.0
作品として、文化としての映画に対する経緯が詰まった作品。
作り手として、観客として、映画に青春を捧げたすべての人間にとって、必ず刺さる部分が1つはあるのではないだろうか。

映画業界を取り扱った作品は古今東西たくさんあり、最近でも『フェイブルマンズ』や『バビロン』『エンドロールのつづき』等記憶に残っているが、やはり国が違えば映画文化も違う。
本作を観ると、今ではすっかり聞くことの無くなったピンク映画の文化史等興味深く感じた。
正直、若松監督の作品は『水のないプール』くらいしか知らなかったが、その映画にかける情熱を郷愁たっぷりに描く本作をみて、他の作品も観てみようと思えた。

何らかの形で映画に携わる人間を描く群像劇である本作、個人的にはミニシアターのオーナーになった木全のパートが一番共感出来ただろうか。
劇場で映画をかけたいという想いを語るシーンは胸が熱くなり、ラストのシネマスコーレの席が埋まっているシーンは現代になってなお受け継がれる映画への愛を感じられて心の底から喜びと感動を感じた。
滝井椎野

滝井椎野