滝井椎野

ストリートダンサーの滝井椎野のレビュー・感想・評価

ストリートダンサー(2020年製作の映画)
4.2
痛快なダンスバトルに移民問題や民族対立問題等の社会問題を上手く組み込んでおり、鑑賞後は色々な意味で観て良かったと思えた。

ロンドンが舞台のインド映画ってのがなかなか新鮮で、都会的な舞台に恰好良いダンスが実に映える。
ストーリーは王道ながら、そこに社会問題を挟むことで厚みが増したように感じた。
安易な恋愛描写が少なめで、主人公とヒロインもどちらかといえばダブル主人公的な描かれ方がされていて良かった。
個人的には主人公が割と終盤まで覚醒しなかったのがもどかしく、ヒロイン贔屓で観ていた。

行きつけの飲食店のマスターが実は凄腕という王道展開はやはり熱く、おまけにネタキャラっぽかった従業員もしっかり実力者だったのが好印象。

移民問題や民族間の対立など、様々な問題は根深く解決は一筋縄ではいかないが、決勝戦でのチームの垣根を超えた熱いダンスや、ライバルチームとのその後のやり取り等、まだまだ希望はあるのだと思えた。
滝井椎野

滝井椎野