このレビューはネタバレを含みます
●最終的にモヤモヤする作品。
●濱口竜介監督作品は、『スパイの妻(2020)』と『ドライブ・マイ・カー(2021)』しか観たコトないので、作風がどうこうは言えないし、知らない。
●そもそもこの作品が、音楽を担当した『石橋英子のライブパフォーマンス用映像「GIFT」を作る過程で同時に作り出された』という特殊な経緯で作られた物らしいので、その辺からして『異質』なモノみたい。
観てて『アート系の映画みたいだな』と感じたのは、あながち間違いではなかった模様。
●走る車の『後ろに過ぎ去って行く道』の映像は『ドライブ・マイ・カーと同じだな』って思った。監督のお気に入りなのか?
●『悪は存在しない』ってタイトルなので、つまりは『善も存在しない』ってコトなのか?
●『"先に在るモノ"を侵す者』っていう点から見れば、『東京の芸能事務所』も『地元住民』も同じ。どっちが悪とも言えない。
●『水は高い所から低い所に流れるので、高い所に在る者は…』って自治会長の話、現代社会へのメッセージなのか?とも思ったけど…?単に『この作品のテーマ』?
●ラストに関しては、監督自身がインタビューで『ただ単にそれが起きた、ということが第一です』と語っているので、そう言うコトらしい…どういうコトか分からんけど…。
●観た人ごとに色々な解釈をして、語り合ってみれば良さそう。
●とりあえず、あのうどん屋の『陸(おか)ワサビを使ったうどん』を食べてみたい。
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↓個人的な考察
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●後半から娘・花が出て来なくなってたので、『その時点で既にそういうコトだったのか』と考えられる。
●ラストの鹿は『剥製を使ってCGで動かしてる』とのコトなので、実際に遭遇したのではなくて『巧のイメージ』なのかも。
そもそも角の生えた雄鹿が子鹿といるのは不自然。
●『手負の雄鹿=巧、子鹿=花』ってことでもあるのだろう。
●巧は常に無表情で、声にも抑揚がない『ニュートラルな存在』で、何を考えてるのか分からない。なのでラストの行動の意味も観客には『分からない』風になってしまっている。
東京から現地に向かう車中で高橋と黛に『巧は変人だ』って語らせてるし、やっぱり『やべーヤツ』には違いない。
●ラストの巧のチョークスリーパーは…『お前らに付き合ってたから花のお迎え忘れちゃって、花が死んじゃったじゃねえか!お前も死ね!』…っていう怒りに任せての行動だった(結果、死ななかったけど)…っていう解釈で良いのかも。
●やはりモヤモヤ感が残る。