ヒゲ人類

DOGMAN ドッグマンのヒゲ人類のレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.1
アクション映画ではないわな。

日本特有のうんこ特報で騙された人多し。リュック・ベッソンだし。現にエンドロール後に大学生くらいの男の子二人組が「なにこれだるっ。つまんなっ」って言っていたので肩透かしを禁じ得なかった人間は少なからず存在すると思う。
とは言ってもレオンやフィフスエレメントしかリュック・ベッソンのイメージが自身の中にないとそう思っても仕方ないと思う。割りと頭いいぶった映画を撮っていてそれが鳴かず飛ばずだからあまりその辺の印象が世間に固定化されてないし。
つまりリュック・ベッソンの歴史で言うとレオンがエンターテイメントとして大当たりしただけでこういう変なバランスの映画はむしろたくさん撮っているわけだ。アクション映画が好きな人からするとだるくてつまらないような映画を。
リュック・ベッソン最高傑作?そうかもしれない。最大公約数的に言うと最高傑作なのかもしれない。リュック・ベッソンの撮る「映画」の中ではそうなのだと思う。「リュック・ベッソンの撮る映画」としてはどうだったんだろう。

つまりリュック・ベッソンにレオンを求めてしまっているのは他ならないわたしであって、彼の映画の遍歴は分かってはいてもでもそれでもリュック・ベッソンの味わいはこうじゃなくてさあ…と思ってしまう。毎回レオンの奇跡を思い出さずにはいられず劇場に足を運んではがっかりする。
一度だけ食べたラーメンが死ぬほど好みの味だったし人気もある店だったのに数年後にそのメニューが無くなってしまっていたような気持ち。一瞬だけ暖簾分けした店舗(クリス・ナオン監督)で近い味(キス・オブ・ザ・ドラゴン)が食べられたけどそっちの店舗も変に尖った個性出し始めて結果店をたたむみたいな。

結果何が言いたいかと言うと、別に面白くはない。と言うか特報で見せられているような面白さはないが、その代わり思ったようなつまらなさでもない。
つまり期待して行った店でラーメン自体無くて食べたくもない美味しくも不味くもない角煮定食でお腹をいっぱいにした感じ。まずはタバコ吸って口直しがしたくなる。
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