コンクリート・ユートピアのBluegeneのネタバレレビュー・内容・結末

マンション版スノーピアサーという触れ込みだったが、確かにそれに近いテイストであった。あれほどあからさまな階級はないんだけど、働けるかどうか、集団に貢献できるかどうかで階級が作られていく。

韓国らしいと思ったのは、兵役経験者が優遇されること。先進国の多くで徴兵制が廃止される中、朝鮮戦争が正式に停戦していない韓国では男性の兵役義務が残っている。兵役から戻って間もなく、いわば上官の命令に無条件に従う訓練を受けてきたミンソンが「代表」に忠実に従う一方、持病のために兵役免除されていた青年が外部の人を助け、抗議の自殺を遂げることは象徴的である。

一点、弱いのは設定自体だろうか。世界規模の災害というと隕石の衝突くらいしか思いつかないが、それならあらかじめ予想ができたはず。極限状態の人間を描くなら飛行機が孤島に墜落したという話でも良さそうだが、「代表」の行動の影に手に入れられなかったマイホームと失った家族への思いがあるので「アパート」という設定は崩せなかったのだろう。