2020年に公開された『のぼる小寺さん』が、思いのほか好きな作品になった古厩智之監督作であり、本作も同じ高校生たちのサクセスストーリーなので鑑賞しました。
３人の男子高校生が、eスポーツの全国大会を目指す青春映画というのが大まかな概要なのですが、個人的にゲームの世界に疎い身には共感できるものがどうしても少ないという事実が拭えませんでした。
奥平大兼さんと鈴鹿央士さんという旬の若手をダブル主演に当てたキャスティングは良いのですが、劇中のその二人のそれぞれの家庭環境が、何故だかやたら陰鬱な設定なのが観ていてずっと引きずり嫌な感じでした。特に本筋には影響されないので、その設定が必要だったとも思えません。
どうしても実際に体を動かして躍動するスポーツスピリットとは行かないので、クライマックスの試合シーンも盛り上がりに欠けますが、成り行きながら顧問となる教師役の三浦誠己さんの珍しい配役の妙などの面白味もあるので、全体的に盛り上がらないのが残念な作品でした。
