このレビューはネタバレを含みます
キャスト発表になった頃にどんな人たちの話なんだろうとwikiで調べて絶句したのでどういう話かは知っていたのにそれでも十分辛かった。スポーツとマッチョイズムと男らしさと家族の呪いの話。
身体を鍛えれば鍛えるほど心がズタズタになっていく様子が辛い。自分の夢や野望を叶えるために息子たちを駒として動かす父親が怖いし、「長男」として期待に応えるべくそして弟たちを守りたいケビンの言葉にはしない重圧や苦しみが辛かったし、音楽が好きでプロレスなんかしたくなかった末っ子マイクが結局巻き込まれていくのが辛い。相談しても両親共に「そっちで解決して」と言うの辛い。
私はプロレスに詳しくないんだけど、この競技はこれでいいんですか?と疑問すら湧いてしまった。
死後の世界で会う兄弟たちに泣いてしまった。ラストのケビンの台詞、字幕では「昔は兄弟がいたのに今は誰もいない」だったけど、英語では「かつては自分はbrotherだったのに今はそうではない」と言ってた気がして(私の英語力は当てにならないけど)そっちのほうがずっとずっと悲しいなと思った。もうお兄ちゃんと呼んでくれる人はいない。それでも「呪い」を解いたケビンの実際の写真が良すぎてそこに希望があってよかったな。