竜平

16ブロックの竜平のレビュー・感想・評価

16ブロック(2006年製作の映画)
3.1
とある証人を16ブロック先の裁判所へ移送する、という任務を偶然にも任されてしまうアル中の老刑事。すぐ終わる簡単な任務のはずだったが、という話。

事件の導入部分というのが非常に魅力的で、これからどーなっちゃうのというワクワク感がたまらない。そこからあれよあれよという間に追い詰められていく主人公たち。そんな序盤の高揚感と勢いはどこへやら、わりとすぐに失速してしまうのがなんとも勿体ないなというところ。今作はひとまずブルース・ウィリス好きにオススメしたい。『ダイ・ハード』などで見れるキレッキレの彼とは正反対の、ヨレヨレでなんとも頼りない姿はいい意味で必見。まぁこのキャラ設定こそがそもそも必要なテンポやスピード感というのを殺してしまってるのかもしれないけど。全体的に人物描写も少し薄いと感じる。アクション映画というよりはヒューマンドラマ寄りだと思うんだけど、友情や正義といったそのドラマに今ひとつ入り込めないのがなんとも残念。ただ主人公の葛藤だったり、これはウィリスの醸し出す哀愁と重なってなかなかじんわりと心に響いてくる。ラストもなんともほっこり、な内容。

にしてもモス・デフの喋り方が一生気になる、いやこれもいい意味でね。
竜平

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