「最悪だ…明日給料日だ」
愛について考え続ける127分。
自分が愛についてどう思っているか、それぞれの登場人物がそれぞれの言葉で言語化し相手に伝えようとするわけですが、それは「スピーチ」であって「会話」であって、会話ではないというのがミソだなと。
劇中でも言われたように「同じ言語」で話しているけど、それは会話になっておらず、互いの心が交わることがほとんどない。
車という同じ方向を向いて進んでいるけど、向かい合ってはいない空間の使い方に始まるこの映画が、どうやって終わるのか。
あのラストシーンがむちゃくちゃ良かった。
トンネルの先の光と、夜の湖の先の光。
おそらくFPS系のシューティングゲームと思われるものと、戦争の話。
檻や籠というニュアンスと、オールを捨てて自由になったように見えるボート(しかしそこは海ではなく湖という閉鎖空間)
星空への渇望と、金平糖。
「星を見に行く」と言ってもプラネタリウムというフェイクの星空。
愛は腑に落ちたら覚めちゃう感じ。
色んな言葉や行動が互いに共鳴しあってひしめき合っているのが不穏で、なんてことないシーンにも緊張感が走ります。
木竜麻生さんや鳴海唯さんなど、好きな俳優さんが多数出演されていたのも良かったです。