Newman

ミシシッピー・バーニングのNewmanのレビュー・感想・評価

ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)
4.0
2つの点で、興味深かった。一つ目。どんなことでもそれなりに説明はつく(つけてしまえる)。アングロサクソンだけが優秀な民族で、ほかは支配される階級であると。二つ目。しかも、始末の悪いことにそう信じている人は良心に従ってそうだと思っていること。
ジーン・ハックマンが経験に裏付けられた地に足のついた捜査と見えるし、いい演技だったが、私は、ウィレム・デフォーを買う。大学を卒業した、しかもちゃんと経験に裏付けられた刑事ぶりに。あの若いFBI捜査官にどれだけの力があるのか。捜査のために借り切ったモーテルの主人に営業に響くと言われれば、買い取れ。100人捜査官を増やせ。自分の持っている力を充分に使い、さらに信念は曲げない。日本の警察機構の中では、刑事、警官の一人一人が長年の経験と勘を持っているから「よきにはからえ」と、全てを下の人間に任せないとうまく仕事が回らないと聞く。そういうものかと思っていたが、この映画を見て違うとはっきり分かった。今回の事件を解決に導けたのは、決して信念を曲げない(きっと数少ない)捜査官がいたからだ。ただジーン・ハックマンの言葉の端々に、それでは捜査はうまくいかないと言っているようには感じたのだが。
記憶に残る言葉が二つ。「見て見ぬふりをしてた者は皆罪がある。銃を撃った連中と同じにな。我々も皆そうだ」。犯人だった保安官補の奥さん(美容師)(フランシス・マクドーマンド)の「どこへも行かないわ私の家よ。ここで生まれたの、きっとここで死ぬわ。(この町の中にも)分かってくれる人はいるわ。私のパーマが好きな人も」。 
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