Newman

侍のNewmanのレビュー・感想・評価

(1965年製作の映画)
3.6
皆さんの評価が高いので楽しみだったのですが、私には合わなかったようです。いろんな人に鶴千代(三船敏郎)の過去を語らせているのですが、ずっとその話が長々と続く。そして最後にはその素性がはっきりすることになるのですが、父親は意外にもビックリするほどの大物で、それが大物過ぎて現実感がありませんでした。しかも鶴千代は良く言えば一本気、(悪くでなくて)普通に言えば一つの方向しか見えない、自分ではまともと思っているのだろうがどうにも使いづらい人間という設定。新珠三千代さんが、お菊さんという女性の役でさらに菊姫という二役をやっているのですが、若い菊姫の役も十分にこなしているのですが、三船敏郎さんは苦み走った中年を過ぎた男性役でその若い頃を演じるのはさすがに無理に見えました。最後の桜田門外の変は迫力がありました。実際にはどのようなものだったのかと思って観ていました。大老を守っていた彦根藩の人間は、主である大老井伊直弼を守り通すか死ぬしか道はなかったのだろうなと、この映画を観ていて、思うようになりました。井伊大老としては、自分こそが時代が望んでいる人間と思っていたのなら、狙われているかもという部下の言葉を聞き入れ江戸城に向かうときには警護のものをもっと増やすべきだったのだと思ったことでした。
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