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雪山の絆のnanaのレビュー・感想・評価

雪山の絆(2023年製作の映画)
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そもそも有名な実話だし、『生きてこそ』を観ていたので内容はなんとなく分かった気でいましたが、「え、遭難期間そんなに長かったっけ!」とか「え、そんなに大勢助かったんだっけ!」とか、結構忘れてる部分がありました。

人間の底力というものを感じる作品。
序盤、ちょっと尺をとって搭乗前~事故に遭うまでのそれぞれのメンバーのことを描くので、こんな気のいい将来有望な兄ちゃんたちがこの後あんな目にあってしまうんだな…と苦しくなる。
そして何より事故の描写が想像以上でした。
本人たちの証言や当時の資料などをもとに、おそらく実際の状況に限りなく寄せた映像なのだと思います。
あっという間に奪われた命。
あっという間に日常から放り出された人々。
そこからの過酷すぎる遭難生活。

「絆」という優しい響きだけでは語れない彼らの物語。
葛藤。怒り。許し。
誰も口にしていない、彼ら当人だけが知っていることもまだたくさんあるでしょう。
久しぶりに『生きてこそ』も見返したくなりました。
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