nana

π〈パイ〉 デジタルリマスターのnanaのレビュー・感想・評価

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観たいなと思いつつ先延ばしにしていたら、A24からデジタルリマスター版が公開されるということで、良い機会でした。
『ザ・ホエール』でブレンダン・フレイザーがオスカー俳優になったのも記憶に新しい、ダーレン・アロノフスキーのデビュー作。

ざらついたモノクロの画面に、鮮烈なテクノ音楽。
薬を飲む場面がリズミカルに時折挿入されるシーンは、おそらく後の『レクイエム・フォー・ドリーム』でも同じように使われていた気がします。

彼の作品では、良くも悪くも登場人物が何かにとりつかれたようにのめり込み、時には自らの肉体をもって(その肉体を破壊してでも)追い込むという描写が多くあります。
デビュー作でその傾向はもろにあったんだな。

すべての数字には意味がある、この世界で起きているすべてのことには意味がある…というのは劇中でも指摘されるようにかなり危険な思想なのだけど。
とりあえず、太陽を直視するのはやめておこう。
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