ルイまる子

ゴンドラのルイまる子のレビュー・感想・評価

ゴンドラ(2023年製作の映画)
4.8
愛に溢れたなんとも言えない心に残る傑作!ジョージアの山頂でゴンドラが往復する様子。ただそれだけなのに、なんというクリエイティブに満ちた話。というか、乗務員の女の子達がすごいんだけども笑 ただそれだけを見てるうちに、多くのことを知る。人生とはどんな退屈な環境でも、変化させたり、面白いことを見つけていく内に人に勇気を与えたり、いくらでも楽しめるものなんだよ!そういうヘルマー監督のメッセージがこもった作品でした!また絵が美しい!一枚一枚の色、構図が素晴らしくて見とれました。


なんと無声映画!しかし監督曰く、無声映画ほど、映画的な表現が活かせるとの事。バーで一人で飲んでる時、隣の人とべらべら喋るんじゃなく、よくよくその人を観察したり目を良く見たりした方が深いコミュニケーションができるものでしょ?うんうん、そう思います。


東京国際映画祭にて鑑賞。視聴後にヘルマー監督と、プロデューサー、女優さんが登壇され、楽しいQ&Aが30分ほど聞けて幸せな時間でした!やっぱり東京国際映画祭はすごいよ!いつも思う。皆さんの質問の質の高さね!核心を聞いてくれるし、ヘルマー監督の作風などよく理解した人達ばかりで感心した。数年前ロンドンで同じ様な映画際のQ&Aで手を挙げる人の(たまたまかもしれないが)質問に呆れた事を思い出した。なんで貴重な時間使ってそんなことしか聞けへんねん?!!と呆れた事を思い出した。それに比べ日本人の優秀さと感性の豊かさを確信した。ヘルマー監督、少人数のチームで撮影したので何もかも自分達でやった。また、ジョージアという国を意識してない、スイスでも良かった。ジョージアはコンサバな国なので、LGBTqへの風当たりの強さは大丈夫ですか?の質問に、男同士のゲイには風当たりが強いが、女同士はそうでもない等、古いゴンドラの撮影は大変なことも多かったが、車椅子の人にはスタントマンを起用したなど、裏話が沢山聞けた。監督自ら、舞台の小物を移動したり色々よく動き働き、心優しく、大好きな監督さんとなりました。


東京国際映画祭2023年3本目
ルイまる子

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