KnightsofOdessa

鳥たちへの説教のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

鳥たちへの説教(2023年製作の映画)
3.0
[] 60点

ヒラル・バイダロフ長編五作目。今回もオルカン・イスカンダルリがダブドという男を演じている。そして、説教三部作の二作目らしい。みんな大好き『クレーン・ランタン』の記憶がほぼないため、新鮮な気持ちで観ていた。物語的なものはアゼルバイジャンの森を舞台に、戦争に苦しめられる二人の男女を描いている、らしい。緑の部屋の壁にくっついて上を見るショットに、『パンズ・ラビリンス』のペイルマンくらい長い指を持った手の影が映り込むシーンとか、廃墟のドアをフレーム内フレームとしてダブドを出したり入れたりするシーンとか、それぞれを導いた"お父様"の前で結婚して自殺する長回しとか、素晴らしい場面も多いのだが、同じ言葉、同じ空間、同じモチーフをひたすら繰り返す意味はよく分からん。流石に繰り返しすぎだろ。色々言いたいことはあるんだが、終映後に登壇したバイダロフご本人様の舞台挨拶慣れしてない感じ、通訳とかガン無視で暴走トークを繰り広げるオタク感を見て吹っ飛んでしまった。増村の『赤い天使』が好きらしいです。"こんな暗い映画撮ってるけど実生活は陽気で笑ったり食事を楽しんだりします"ってアピールしてたのもかわいい。ちなみに、三部作の完結編『Sermon to the Void』を撮影中らしい。ついに虚空にも説教しはじめたか。
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