ひたる

ゴールド・ボーイのひたるのネタバレレビュー・内容・結末

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作未読。
面白かった。でも同時に、この面白さはプロット、つまり原作の魅力ではないかとも思った。映画ならではのカメラワークや音響、間の取り方でいうと、むしろあまり好みではなかった。原作小説を読みたい。
とはいえ、岡田将生の怪演を骨の髄まで堪能できたため、それだけで大満足。

だがタイトルだけはダサいと思った。冒頭の画面を埋め尽くさんばかりの「黄金少年」はダサすぎて笑ってしまった。エンドロールで流れた原作には中国語の原題「坏小孩」と、その横に英語で「Bad Kids」と書かれていたはず。邦訳小説のタイトルは「悪童たち」だ。このどれかで良かったと思う。

終盤の氷は絶対毒水を凍らせたやつだと思ってたので当たっていて嬉しかった。だがそれを見抜いて吐き出し、周りには指摘しないことで真実を知っている2人を手を汚さず葬り、東も浩に刺されて死んだと偽装することで1人勝ちにもっていった主人公の方が何十枚も上手だった。

ラストの横断歩道を挟んで江口洋介演じる刑事と対峙するシーンはかっこよかった。うろ覚えだが、無音から飛行機の横切る轟音が鳴り響く演出は主人公の焦りを表しているようで秀逸だった。
(もしかしたら蝉時雨→飛行機か、飛行機→蝉時雨、無音→飛行機→蝉時雨のどれかかもしれない。とにかく胸中のざわめきを上手く表現していて緊迫感が劇場内を支配していた)
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