ひたる

十二人の怒れる男のひたるのネタバレレビュー・内容・結末

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

激烈に面白かった。文句なしの星5。短めの映画ながら満足感が半端ない。90分間、部屋から一歩も出ないで議論しているだけなのに飽き性の私も終始画面に釘付けだった。鮮やかな推理と人間模様の色濃く出た会話劇で展開に波をつける脚本家の卓越した業に感服。

偏見おじさんがみんなから迷惑がられて無視された結果落ち込むのが、証言者の足の悪い爺さんが世間の注目を浴びたくて嘘をついた、に説得力をもたせる上手い構成だと思った。

主人公が鋭い洞察によって固定観念を打ち破るのもかっこいいが、逆張り気短おじさんが感情に任せて罵倒する度、主人公サイドの指摘をかえって補強してしまうのも痛快で面白い。

これのパロディだという三谷幸喜が脚本を手掛けた「12人の優しい日本人」も観てみたい。
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