チッコーネ

ミス・シャンプーのチッコーネのレビュー・感想・評価

ミス・シャンプー(2023年製作の映画)
1.7
『怪怪怪怪物!』は面白かったので期待したのだが、こちらはいまひとつ。
暴力的だが愛すべきヤクザの活躍、若い男女の恋物語、そして青春ノスタルジーと手垢のつきまくった題材を持ち出し、香港映画ばりのナンセンスコメディ演出で愛情たっぷりにまとめているが…、それだけでもうお腹いっぱい、「勘弁してよ、これだからノンケ男は…」という感じ。

照明はカラフルだし、一場面へスピーディに盛り込まれた編集から膨大な撮影をこなしたのはわかるのだが…、例えば題材に対し、リンチが『Wild at Heart』で示したような「現代的再構築」を試みる知性や野心が感じられず、小手先のフレーバーを加えダラダラと再生産しているだけ。
忍耐を強いられる120分だった。

台湾で注目の新進作家と言えば本作のギデンズ・ゴーとチェン・ウェイハオという認識は恐らく誤っておらず、ふたりともNetflixの目に留まりオリジナル作品を撮っているが…、私は断然ウェイハオ派。