このレビューはネタバレを含みます
主演の吳慷仁が最高すぎるし、吳慷仁以外がしょぼすぎる映画。
難聴で手話を用いる、マレーシアの難民区出身の華人という超絶難しい役を、全くの違和感もなく演技し倒す。特に、僧侶に説得される部分の受け答えは神が宿っている。手錠の音をジャラジャラと立てながらの声のない訴え。「お前に俺の気持ちが分かるか?」という鑑賞者へのストレートな問い。全てが極まったノーカット5分間。噂にきくところによると、初テイクでこれらしい。天才すぎるだろ。
シナリオは、伏線がまったく回収されなかったり、意味のない話や必然性の無さが目立つし、他の登場人物もパッとしない。そのためツッコミどころが多いのだけれど、それもこれも吳慷仁を引き立たせるためだと思うと納得がいく。それくらいすごい。