塩辛亭ショッパイ

マイノリティ・リポートの塩辛亭ショッパイのレビュー・感想・評価

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)
4.0
いんや~、実にうまくできてるわ。未来に起こる犯罪を止めるって設定も面白いし、未来の世界観が荒唐無稽でなく、実際にありえそうなのがいい。嘔吐棒だけはこの先どんな未来が待っていようといらんと思うけど。

ひとつ苦言を呈するとすれば、トム・クルーズがヤク中になってしまったワケでもある息子の誘拐シーンについて。
市民プールで息子と〝息止めゲーム〟に興じ、10秒やそこら潜っている間に何者かに攫われてしまったわけだけど、その件で「あのとき俺が目を離さなければ…」と自分を責めるのは設定としてどうなんだろう。鼻から下を水につけて目だけ出して息子を見ておけば、、、とはならないでしょ。
後悔に囚われた男の話でもあるわけだから、もうちょっとトム・クルーズに過失がある風にした方がストーリーとしても効果的なのでは? 〝息子に負けじと潜水している間に誘拐されちゃいました〟って言われてもねぇ…。だからこそ逆に悔やんでも悔やみきれないのだろうか。

しかし、そんなことは些細な、取るに足らないマイノリティリポート。高度な近未来スリル・ショック・サスペンスを描きつつ、痛ましい過去の傷を乗り越える人間ドラマも成立させているのが素晴らしい。
映画が撮るのがうますぎる、それがスティーブン・スピルバーーーーグ師匠。
塩辛亭ショッパイ

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