セトヤマ

コンテイジョンのセトヤマのレビュー・感想・評価

コンテイジョン(2011年製作の映画)
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ウィルスの恐怖は目に見えない事だと思う。
ゆえに人は疑心暗鬼に陥ってしまう。
何が正しくて正しくないのか、常に選択を迫られる。

ウィルスと戦う人がいる。
目に見えない敵と戦い、自分の命を賭けて世界の為に働いている。
それでも彼らもまた同じく人間であり、
未知の出来事を前に立ちすくむこともあるだろう。

この映画は今2020年新型コロナウィルスを前にした我々に多くの示唆を与えてくれる。
この映画が興味深いのは一定のサスペンスを保ちながら事象を追っていくだけな所。
登場人物も多く、それぞれに寄り添うような、肩入れするような演出はなく、
徹底して客観的に物語を進めていく、さすがソダーバーグ監督。
その冷静さが、観客に考える時間を与える。

グローバル社会、資本主義による環境破壊、人類は豊かさと引き換えに何を失ったのか。
もちろんその答えは映画を観ても出ない。
ただ、貴方はどう思いますか、その問いかけだけ残る。