セトヤマ

女の都のセトヤマのレビュー・感想・評価

女の都(1980年製作の映画)
-
自身の脳内を映像に置き換える。
この能力の高さは世界的に見ても、フェリーニほどの監督はそうそういない。
だからこそ映画の巨匠なのだと作品を見ると思い知らされる。

そして作られた映像もまた、常人とは違った想像力、どういう発想なんだ、毎度驚かさっぱなし。

セット撮影を好んだフェリーニの真骨頂、いくら予算が掛かっているのか分からない、そんな途方もない映像力で持って描かれる、
監督自身の持つ女性への羨望、畏怖、敬愛が詰まった今作。

そして自身の男性的な強さ、愚かさ、弱さ、などマルチェロ・マストロヤンニに託して、バカバカしくお祭り騒ぎのように紡いでいく。

美術のダンテ・フェレッティと共に作り上げた1つ1つの映像のイメージが織りなす、まさにサーカスな映画なのだなと、本当にフェリーニらしい映画。