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毒娘のMKのレビュー・感想・評価

毒娘(2024年製作の映画)
4.0
なんか変な家と比較するレビューが多いけど、『変な家』より『一級建築士矩子の設計思想』の方が好き 笑。 

変な家は建築確認が下りないだろな…あんな室名表記してたら不動産屋がアウトだろうなぁ…なんて。

本作はといえばうまく言えないけど面白かった。

幸せな家庭、家族を強いる夫、繕う妻、演じる娘。
閑静な住宅街にある、庭ともつかない軒先と真っ白ではない白い家。

そんな幸福を描ききれなかったかのようなイエで、自らを真っ赤に染めたちーちゃんがモノもコトも切り刻んでいく。

そんなちーちゃんはバケモノでもなければ幽霊でもなさそう。何故か実在して素性も、なんなら両親まで晒されてるのにただただ集落の厄介者扱いという摩訶不思議な設定とストーリー。

なんとなく座敷童子みたいだなぁと思って観てたら存在意義真は全くの逆。

居れば幸福、見ても幸福、去ってしまえば不幸…の逆?

元の住処であるこの家に異常なくらい固執し、災いばかりをもたらすけど、確かにちーちゃんが去った後、よく分からないかたちの幸福が訪れそうな気さえした。

こんな設定と展開じゃ邪推、深読みの連続になるのは仕方ないと思うけど、毒娘はちーちゃんではなく萌花ちゃんで、ちーちゃんは彼女の心の鬱憤が創り出したダークヒーローなのではないかとさえ思えてくる始末。

家族とか関係性って本当に希薄でいい加減な賜物。守ろうとすると人の気も知らないですぐ壊れるし。
壊そうとしたらしたで勝手に修復し始めたりする。

少女二人が口を紡ぎ、罰印で切り刻みたかったもの…それがなんなのか少し共感できた気がする。

いずれにしても小さな家を舞台にしたサイコヒューマンドラマということでしっかり堪能できた。

そしてバケモノを美少女がやってはいけないことを学習。
萌花ちゃん役の植原星空ちゃんはもちろん、ちーちゃん役の伊礼姫奈ちゃんの可愛いこと…貞子ばりにまつ毛抜いてる?

もっさりした髪型で迫ってきてるのに、その前髪をかきあげて欲しくなる時点でホラとしてはダメな気がした 笑。

でもちーちゃんのキャラは好き。
土下座からのトイレ借用オヤジしかり…なんなら『ちーちゃん−1.0』観たい。
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