してぃぼ

ゴースト・トロピックのしてぃぼのレビュー・感想・評価

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)
3.3
1日の疲れからか終電を寝過ごした女性が家路に向かうまでのお話。道中では、思い出の地を通り過ぎたり、思わぬ出会いがあったりする。少し心があったかくなったり、逆に寂しい感情になる。酒を飲み過ぎて終電を逃してフラフラのまま歩いて帰る自分とは対極。

主人公は子育てを終えた初老の女性で、以前は家政婦をしており、今は清掃員として働いている。というバックボーンが少しずつ明らかになる。夜な夜な遊ぶ娘を偶然見かけて後をつけ回したり、道端で倒れていたホームレスを救急車に乗せるもその後の安否が気になってこっそり病院に忍び込む度胸もあったりする。が、基本的に不器用そう。でもそこが良くて。「あっちに未成年にお酒を売っている店がありますよ」とチクったりする感じが夜遊びをする娘へのささやかな抵抗になっている。

意図的に長回しで撮っていそうなシーンが多く、それを余韻と捉えるかは、無駄と捉えるかは結構人によるかも。個人的には、余韻を感じたいシーンも少なかったのでちょっとわざとらしさを感じてしまった。でもこういう映画好きです。「枯れ葉」「PERFECT DAYS」系が好きな人は観る価値あり。
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