「いちばんすきな花」に通じる今時の男女の関係性を描いた作品であり、 「愛にイナズマ」に通じるコロナ禍の苛立ちを描いた作品であり、つまりは2023年の今ならではの映画。説明的でなく沈黙や長回しを使って、複雑な関係性や感情を伝える。何気ない話が確かなドラマに。
正直、SUMIREさんは演技巧者ではないので、会話のリズムが崩れているシーンも多々あったが、秋元龍太朗さん(加藤拓也組!)らオーディションで選ばれた方々の演技が素晴らしく、グッと来るシーンも。近しいテーマと年代を描く脚本家としては、常間地裕さんは、生方美久さんより優れていると思う。