岩嵜修平

あの夏のルカの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

あの夏のルカ(2021年製作の映画)
3.6
【2回目:劇場(吹替版)】

本作もまた、原語で観ることに意味がある作品なので吹替だけは残念だけど、映画館で観て、大幅に評価は上がった。脚本の荒さやリアリティラインの欠如は、感動を損なうには十分なレベルだけど、アニメ表現と音が気持ち良いし、愛すべき3人+親の関係にはグッと来てしまった。可愛い。

短編『フォー・ザ・バーズ』は2000年制作ということで、流石に古さを感じたけど、監督のエンリコ・カサローザのチョイスなのかな。エンドロールは、その後を見事に描いてて感動。後日談たる『アルベルトの手紙』は、結果として、登場人物たちが好きになったので、評価も上方修正せざるを得ない。

【1回目:配信(字幕版)】

イタリアや海の表現やクレイのような実在感は素晴らしいし、シーモンスターのキャラや変身の仕方は可愛いけど、これは劇場公開しなくて正解かな…。人種差別のメタファーとしては、あまりに展開がご都合主義すぎるし、簡単に解決し過ぎ。誰一人ちゃんと描けてないからグッとも来ない。

やっぱりジョン・ラセターが抜ける前と後では、アニメの、特に、物語の部分のクオリティが保てなくなってるな、ピクサー…。(監督が全部、コントロールできてる『ソウルフル・ワールド』とかは良かったけど)ラーヤしかり、ディズニーアニメは良い感じなのに…。
岩嵜修平

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