maro

テルマ&ルイーズ 4Kのmaroのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)
4.0
2024年日本公開映画で面白かった順位:13/37
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★★★

あの名作が4Kとなって復活したのでうれしい限り。
主婦であるテルマ(ジーナ・デイヴィス)とルイーズ(スーザン・サランドン)の友情と冒険の物語。
これはぜひ女性に観てほしい映画だなー。

この映画、いろいろ語りたいことがあるんだけど、やっぱり監督がリドリー・スコットっていうのが意外だよ。
だって、この映画の前に彼が作った作品って『エイリアン』(1979)に『ブレードランナー』(1982)、『ブラック・レイン』(1989)と、暗い雰囲気のSFやアクション映画じゃんか。
それがまさかの主婦2人のロードムービー。
方向性が違いすぎてビビる(笑)

でも、ストーリーがメチャクチャ面白い。
主婦2人がたまには夫から離れてハメを外そうぜっつってドライブに行こうとするんだけど、その計画は映画の序盤で頓挫しちゃう。
道中、たまたま寄ったバーでテルマが店の客にレイプされそうになって。
間一髪のところでルイーズが銃を突き付けて未遂に終わるんだけど、男が「しゃぶれ」だの「早く突っ込んどきゃよかった」だの言うから、カチンときて銃殺しちゃうんだ。
これでもう楽しい旅行は夢のまた夢で、警察からの逃避行へと変わってしまう。

キャラクターも最高よ。
テルマはちょっと抜けているところがある一方で、ルイーズは冷静でテルマを引っ張っていく姉御みたいな感じかな。
テルマを演じた当時のジーナ・デイヴィスがすごくかわいくて、今でいうキャメロン・ディアスとクロエ・グレース・モレッツを足して2で割ったような雰囲気があるんだけど、これが男に目がなくて、それでいて男を見る目がない役どころ(笑)
道中で知り合ったヒッチハイカーのJ.D.とよろしくやったと思ったら、有り金全部盗まれたりして。
そのJ.D.を演じているのが、当時まだ無名だったブラピ(笑)
そんな何かとやらかしちゃうテルマだけど、いざというときには度胸あるぶっ飛んだ行動を見せてくれるギャップが好き。

逃避行を続けていく中でいろいろ罪を重ねていくテルマとルイーズ。
だんだんと慣れてくるのか、ヤケクソになってくるのか、物語の終盤ではたくましくなってるのがウケる(笑)
スピード違反で取り調べをしにきた警察官を返り討ちにしたり、下品なことを言ってくるトラックのおっさんを降ろさせた後に態度が気に食わないってんでトラックを銃で撃って爆破したり。
これまで散々自分たちをバカにしてきた男たちへの鬱憤を晴らすかのようでスカッとする。

からの、あのラストシーン。
これはネタバレになるから割愛するけど、テルマとルイーズの潔い行動、映画史に残りますわ。

そういえば、ここに出てくる男はみんなロクなやつがいなかったけど、唯一2人を追っていた刑事のハル(ハーヴェイ・カイテル)だけは違った。
最初は2人を捕まえるために都合のいいことを言ってるだけなんじゃないかと思ったんだけど、彼はルイーズの過去(メキシコでレイプされたらしい)を知っていて、今回の件も慎重に扱うべきだと強く主張していた。
テルマとルイーズを始め、まわりの警察官も誰も聞く耳を持たなかったけど、ハルだけは本当に2人を救おうとしていたのかもしれない。
男もクソ野郎ばかりじゃないよっていう唯一の救いの存在だった。

そんなわけで、ストーリーもキャラクターも最高なので、女性にはぜひ観てほしい映画。
何かに縛られることなく自由を手にしたい主婦2人の友情と冒険の物語は本当に面白い。
maro

maro