竜平

スリー・キングスの竜平のレビュー・感想・評価

スリー・キングス(1999年製作の映画)
3.8
湾岸戦争停戦直後のイラクにて、ひょんなことから金塊の在り処を示す地図を手に入れるアメリカ兵たちが極秘作戦に乗り出す、という話。

ちょっぴりスタイリッシュな演出が所々で光る、新しい感じの戦争映画。今作の根底にあるのは「ブラックユーモア」的なもの。直接的でなく含ませた表現みたいなものが多い気がする。セリフや描写などから溢れ出てくるのは湾岸戦争に対する批判やアメリカ風刺。分かる人には分かる、ってやつ。ちなみに社会情勢とかそこらへん疎い俺にはピンと来ない部分も少々。あとから調べてあーなるほどねーってなった感じ。この映画がすごいのは、例えばそんな裏に潜むメッセージみたいなものをちゃんと理解せずともフツーに楽しめちゃうところ。ミリタリーアクションやちょっとした人間ドラマが随所に散りばめられていて、飽きることなく最後までツルッと見れちゃう。デヴィッド・O・ラッセルの映画というのは人物描写が印象的。『世界にひとつのプレイブック』や『アメリカン・ハッスル』なんかもそうだったけど、とくに憂いの部分、好みもあるんだろうけどグッとくることが多いなと。

改めて見て知ったけど、アメリカ兵コンラッドを演じてた人物は監督業でも有名なスパイク・ジョーンズ。あと、今作では捕虜の村人を演じていたクリフ・カーティス、彼は名バイプレイヤーだと個人的に思ってたり。
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