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ストップ・メイキング・センス 4Kレストアのnanmotoのレビュー・感想・評価

5.0
「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミが監督を務めた
「ストップ・メイキング・センス」。
1992年から人知れず眠っていたネガを探し出したもので、トーキング・ヘッズのメンバーであるジェリー・ハリスンがサウンドを監修した完全リマスター版となる。

トーキングヘッズをハッキリと意識したのは
アメリカン・ユートピアでした。


トーキングヘッズについて
パンクと言えば「政治的・社会的反抗」というイメージで語られがちであるが、これは1970年代中期から後期のセックスピストルズやThe Clashをはじめとするロンドンパンクが生み出した概念。

彼らが登場する前にパンクは存在していた。
1970年代前半、ニューヨークにある小さなバンドハウスCBGB(Country, Blue Grass, and Bluesでニューヨークパンクというジャンルが生まれていた。

どちらも体制に反抗しているのですが大きな違いは
ロンドンパンクが「政治的・社会的反抗」
ニューヨークパンクは「音楽的・芸術的反抗」と分けてみるとわかりやすかったです。

音楽性ではトーキングヘッズはニューウェイブの先駆けとなる存在。デイビッドボーイ、R.E.M、ザ・ポリスなど
。いわゆるパンク・バンドとは一線を越えた存在。

トーキングヘッズはアフリカン・ファンクの取り込みや民族音楽への傾倒し拡張したため、パンク・バンドとは言えなくなった。彼らの引用感覚、映像メディアの積極的な取り込み、ジャンルの横断性などから影響を受けたアーティストはかなり多いんじゃ無いかなと思われます。
はめられた枠の外側を模索するような音楽です。
まさしく他民族の国アメリカなバンドだと感じました。
ゲームチェンジャーであってニューウェーブの走り的存在であり、そのことによる孤独。

ストップメイキングセンスの撮影、デイビッドバーンは孤立し、メンバー同士の関係は良くなかったと言われていました。

そして2020年代〜アメリカ、世界が抱える問題。
デイビッドバーンとスパイク・リーがタッグを組みアメリカンユートピアという作品で選挙の重要性、人種差別
問題を皮肉たっぷりで再熱した。

この二つの作品を通じて、敵対する複雑な関係性でもうまく混ざり合える音楽のチカラを感じ、
なぜ今トーキングヘッズなのか?ということを噛み締めれました。

imax最高でした。
やっぱりライブ映像のimax上映ドンドン作ってほしい。
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