むらむら

ペット・ショップ・ボーイズ・ドリームワールド THE GREATEST HITS LIVE AT THE ROYAL ARENA COPENHAGENのむらむらのレビュー・感想・評価

5.0
※後半はU2のライブ鑑賞記です

1980年代から活躍するポップデュオ、ペット・ショップ・ボーイズがコペンハーゲンで行った、シングル曲だけで構成されたライブ「DREAMWORLD」を新宿の東急プレミアムで鑑賞。

東急プレミアム、故・坂本龍一が音響監修したというだけあって、音響や映像のクオリティはトップクラス。
こういうライブの追体験には最適な空間。

ただし料金は高く、通常席が5000円(会員は500円引き)、VIPは10000円。もやしが300パックくらい買える金額やん! 

VIP席にカップルで座ってる人がいて、「うおおお、セレブや!」と思わず興奮してしまった。

ちなみにロビーは1時間前から入れて、ポップコーンとドリンクが取り放題。貧乏性な俺は一時間前からコーヒーをガブ飲みしてたら、鑑賞中にお手洗い行きたすぎて集中できんかった。

ライブそのものは最高。ニール・テナントのハイトーンボイスは全く衰えてないし、スタイリッシュでミニマルなのにエモいライブ演出はかっこいい。ちなみにイギリス在住の内間くれあさんが、女性ボーカルとして参加。オリジナルではダスティ・スプリングフィールドとデュエットした「届かぬ思い」では美声を披露してくれる。

しかし改めてこうやって観ると、彼ら、自分たちの曲はもちろんのこと、他のアーティストの曲を自分たち流にアレンジするのがとっても上手い。

「YMCA」が有名なヴィレッジ・ピープルの「GO WEST」とか、たぶん彼らのバージョンのほうが有名だし。エルヴィス・プレスリーの歌唱が有名なバラードの「Always On My Mind」は、ド派手なディスコチューンに生まれ変わってるし。

というわけで、ここでいくつか映画にて使われてる例を紹介。

4月公開予定の「異人たち(all of us strangers)」で、上記「Always On My Mind」
https://youtu.be/bM-DfKTOu_c&t=74

「ソルトバーン」で「RENT」。このバリー・コーガンの下手くそカラオケも、俺そっくりで親近感
https://youtube.com/shorts/GOYevOMK0_Y

https://youtu.be/-rYYW1Iqjuc
「ブロンソン」で「It's a shin」

曲名そのままがタイトルのドラマ「It's a sin 哀しみの天使たち」
https://youtu.be/hnR5DxP2e2g

中でも俺が好きなのは、フランキー・ヴァリ/ボーイズ・タウン・ギャングの「君の瞳に恋してる」とU2の「終わりなき道」をマッシュアップした曲。
https://youtu.be/EHMiMFTwHZk

単に同じオケの前で、ぜんぜん違うこの2曲を続けて歌うだけなんだけど、ほぼ同じ曲にしか聞こえず、違和感がなくて笑ってしまう。このライブでも「サバービア」に続く2曲めくらいに出てきた。

当時、U2のボノは、この使い方に怒ってた、って記事で読んだことあるけど、いまでもライブで歌ってるってことは、意外に喜んでたってことなんかな?

■おまけ:U2のライブ

このライブ・コンサートでも「Where the streets have no name:歌われてたU2のボノさん、前回「ジョー・ストラマー」のドキュメンタリーでも出てきた出たがりやさんですが。
https://filmarks.com/movies/32786/reviews/170956952

そんなボノさんのライブをこないだ観てきたので、簡単にレポート。

場所はラスベガスに出来たばかりの「スフィア」という球状のアリーナ。5000人くらい収容のアリーナだけど、全体が球状になっていることで、270度くらいのスクリーンが眼前を覆うように広がり、圧倒的な没入感を提供する。この会場のこけらおとしが、U2のロングラン公演。

会場、外にも全面的にLEDが施されており、夜、遠くからみるとまるでブレードランナーの世界のよう。巨大なパチンコ玉みたいなのがドドーンとラスベガスに鎮座してるので、めっちゃ近未来感あった。

残念ながら今回はドラマーのラリー・マレンは不参加ということで、ボノ(ボーカル)・エッジ(ギター)・アダム(ベース)の三人と、サポートドラマーでの編成。

ライブは……なんというか、もう、圧倒的。
ここに動画がいくつかあがってるので、興味ある人は観てくれると。
https://youtube.com/playlist?list=PL80sr_OFD9CEqtAQHzwUnc4SIBxzWqYFB

なんかライブを観てるというより、池袋グラシネのIMAXで映画鑑賞したような気分になった。

ドーンと後ろにデジタル時計みたいな表示が出たと思えば、まるでラスベガスの街が透けて見えるような演出もある。砂漠の真ん中に観客を連れてったかと思ったら、巨大な動物や鳥たちが舞い散る壁画に紛れ込んだような演出で、一体感を煽る。

ドヤ顔で全面スクリーン使う演出と、要所要所で一部分をハイライトするところの緩急も良くできてる。例えば、天井高くにボノの持ってる風船が浮かんでいるように見える演出とか。

技術お披露目みたいな意味合いもあるのかもしれんが、映像と音響は、たしかに何千億円もかけただけあるなー、とため息が出てしまった。

偶然だけど、俺が観に行った日は、VIP席にエルヴィス・プレスリーの元妻であるプリシラ・プレスリーが来てたみたいで、MCで紹介してた。

あとでセットリスト確認したら、毎日、ちょこちょこと色んなアーティストの名曲を潜ませてるみたいで、自分の行った日はピーター・ガブリエルの「RED RAIN」、プレスリーの「Love Me Tender」、ストーンズの「Paint it Black」、ドナ・サマーの「I Feel Love」とか、マッシュアップで挟まってて得した気分になりました。ビートルズの「Blackbird」、シナトラの「My Way」、そしてクラウデッド・ハウスの「Don't dream its over」に関してはちゃんと歌ってたし。

https://www.u2gigs.com/show2301.html

U2のボノって、ビジネスマンとして優秀すぎて、個人的には

「twitter芸者みたいに、そんな政治的な発言を頻発しなくても良いのに」

って、若干引き気味なんだけど、この派手な演出のコンサートを実現してくれたのには感謝。

それでも、曲間のMCになると環境とか世界とか、政治家の集会みたいになるのはホント草。

(おしまい)
むらむら

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