恋人を殺された若者が、殺人犯に復習する一日をループする話。
俺、ループ作品が好きで、
「ループ映画と聞くと無条件に観てしまう」
「ループ作品を忘れた頃にまた観てしまう」
「そもそも日常がだいたいループしている」
と三条件揃った「ループ警察」で、ループものには厳しい評価を下すのだが(といっても毎回★5にしてますが)、そんな俺でも楽しく観ることが出来た。
通常のループ作品だと「如何にループから抜け出るか」を、毎回改善していくところに面白みが生まれるのね。
最近の作品で言うと、
「リバー、流れないでよ」
https://filmarks.com/movies/102653/reviews/156777285
「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」
https://filmarks.com/movies/104426/reviews/142619217
だが、この作品の場合、ループから脱出することよりも、ループの中を如何に過ごすか、にテーマが絞られてるのが面白い。
最近の作品だと、何万回もループしたあとで物語が始まる
「明日への地図を探して」
https://filmarks.com/movies/95199/reviews/109445482
とか
「パーム・スプリングス」
https://filmarks.com/movies/88720/reviews/109650845
に近い設定。
特に、主人公がゆとり世代だからなのか、早々に復習を諦めて、ループの中でマッタリし始め、殺人犯とボーリング大会したり、ボートでデート(※男同士)してるところは斬新。喉元すぎれば熱さ忘れる、じゃないけど、何回も殺してると色々と麻痺してくんのね。
全体の世界観を説明するのに、映像の力をかなり使って、台詞数を絞ってるのも良い。よって、殺人犯を演じる伊勢谷友介の
「今日も、俺を殺すのか」
って台詞が印象に残った。
ただ、色んな人がレビューに書いてるように、終盤だけは「え、そこで終わり?」みたいな終わり方なので、もっと、クリストファー・ノーランみたいに世界が崩壊していくとか、ティモシー・シャラメがゼンデイアを裏切るとか、そういう「ええーっ!?」みたいななカタルシスあふれるエンディングにしてほしかったなー、とは個人の意見。
というわけで100分間、かなり面白く鑑賞したのだが、一応、気になったところを3点あげときます。
1.ちょっと「三体」っぽい
これまた他の方も書いてるが、とある設定が劉慈欣の小説「三体」の第一部を思い出す。SFではあるある設定だし、伏線もちゃんと張ってあるので「あー、なるほどね」と納得の設定なのだが、それでも「三体」思い出した。「三体」三部作、超絶おもしろいので(ループ系のネタもあるし)SF好きには大オススメ。
2.契約書の件
ひとつだけ気になったのが、途中、主人公が「契約書にサインをお願いします」って言われるシーン。宣伝コピーにもある「同意します」という、この作品のキーワードに続く設定なのでネタバレにはならんと思うのだが。フツー、契約って、
「何かを実行する前」
に交わすよね?
この作品、「とあることを実行したあとで」契約書にサインを求められてるような描写になってるのよ。ここ、すっごいモヤモヤした。
もしかして、この世界ではNHK受信料みたいに後出しジャンケンの契約ってのがまかり通ってる……ってことなの? それとも俺、なんか見落としてる? うーん、よく分からん。
3.恋人のオッパイ
よく分からんといえば、後半に、主人公(若葉竜也)と恋人(山下リオ)が森の中で歩きながら話すシーン。
この物語の根幹に関わる重要なシーンだと思うのだが、恋人が、やたらオッパイを強調する衣装を着てて、オッパイが気になって内容が全く頭に入らなかった。
主人公「キミは、どうしてあのとき、描いたものを燃やしてたんだい?」
恋人「それはね……(オッパイがゆさゆさ)」
みたいな感じで、ロングショット多様してることもあり、俺の脳内ではオッパイが無限ループ。話が完全に追えなくなった。
ネットで調べたら、恋人を演じた山下リオさんは
「巨乳疑惑」
があるとのこと。
「疑惑」という言葉は、
「大谷の通訳」
とか
「紅麹」
とかに使うものだと思っていたのだが、巨乳にも使えるんだと感心してしまった。
……いや感心してる場合じゃない。とにかく、妙にオッパイを強調する衣装は、観客(俺)の目を惑わしてしまうので……
もっとやってほしいです。
もしも、このオッパイシーンだけを100分つなげた
「ペナルティループ」
ならぬ
「ごほうびループ」
という番外編をオマケで作ってくれれば、円盤100枚くらい購入させていただきます。
(お◯◯い)