むらむら

四月は君の嘘のむらむらのレビュー・感想・評価

四月は君の嘘(2016年製作の映画)
5.0
女にモテすぎで、普段は映画などという庶民の娯楽には手を出さない俺が、クラシック音楽をたしなむ高校生が主人公ということで、俺と趣味が似ているが故に、観てみた作品。

母親が亡くなったショックでピアノをやめた元・天才少年ピアニスト(山崎賢人)が、自由奔放に生きるバイオリニストの女子高生(広瀬すず)にあって、自分を取り戻していく。だが、女子高生には秘密があった……。

俺がキモい映画オタクだったら、このあらすじを読んで

「どーせ 広瀬すず が不治の病で余命一年やろ」
「最初と最後のシーンは満開の桜やろ」

などと予想して、そのままの展開だったことにブチ切れるところだ。
だが、俺は金持ちなので、そんなアナルの小さな文句はつけない。

もちろん、

「広瀬すず が漕ぐチャリにニケツする主人公」も
「広瀬すず と水族館でデートする主人公」も
「広瀬すず と夜の学校に忍び込む主人公」も

羨ましくも何ともない。

なんせ俺は毎日、世界中の美女から携帯電話に連絡をもらうモテ男。今日もイスラエルで傭兵をしている中国娘から連絡をもらったばかりで、広瀬すずの映画を観て悔しがっている時間はないのだ。

そもそも、

「道を歩いてたら、広瀬すず が子供たちとピアニカを吹いて遊んでて、突風が吹いて『いやん ……あなた、見たでしょ!』と近付いてくる」

なんてシチュエーションが、俺が一億万回生まれ変わっても無さそうだ

とか、

実際に「いやん」って言ってたっけ?

とか、キモい映画オタだったら狭いアパートでカップラーメンを啜りながらポチポチレビューを書いているところだろうが、俺のように、武蔵小杉の高層アパートの最上階に住み、空気が薄くて高山病になるのが悩みなセレブには関係ないのだ。

ちなみに、広瀬すず は主人公に

「なーんてね」
「キミなら、できる!」
「私がいるじゃん」

などと、昭和のラブコメでしか聞いたことのないような台詞を連発するが、俺は五反田の超高級イメージクラブの「恋愛オプション」を躊躇なく選択する金持ちなので、違和感は全くなかったカナ。

なんか 広瀬すず のことばかり書いてしまったが、

「音楽にのめりこむと、ピアノの音だけが聞こえなくなる」

という都合の良すぎる奇病を患う主人公。彼に対しては、俺も「女の子にモテて困る」という奇病を患っているので共感しかなかった。加えて、時間に対して非常に敏感で、「ヒューマンメトロノーム」とまで呼ばれているところも、俺との共通点。俺も、五反田のセレブイメクラでは、制限時間30分ギリギリまでサービスさせて時間内に正確にフィニッシュするので、嬢からはいつも感謝されているのだ。

貧乏なキモいオッサンなら、若くてイケメンの主人公に嫉妬で「死ね! タヒね!」としか言えないところだろうが、俺のような生活に余裕のあるセレブとしては、主人公とは、俺の家の冷蔵庫に入っている超高級ストロングゼロで痛飲したくなったぜ。

おっともうすぐ、ラスベガスのカジノへのプライベートジェットに乗る時刻だ。

もっとキミたち貧乏人との交流を楽しんでも良いのだが、そろそろ時間切れになってしまった。なんせ俺は時給100万円と言われる男。コンビニのバイトのタイムカードを気にするキミたちと同様、時間マネジメントを気にするのだ。

ただ、最後に一つだけ、広瀬すず の難病設定に関して書いておきたい。

そもそも主人公二人が病気ってのが都合よすぎなのだが、広瀬すず に関しては、明らかに似合っていないカツラ以上に、難病設定に違和感がある。

根本的に、上記のようにチャリ漕いで夜は学校に忍び込んで、あまつさえ高い橋の上から川に思いっきり飛び込んでてメッチャ元気だし。手術台の上でも念入りにまつ毛ケアしてあってフルメイクだったし。お前、本気で入院してるの? 真木よう子なの!? 

てか、せっかく難病で川に飛び込むシーンがあるんだったら、川にドボーンと飛び込んだ広瀬すず のズラが取れて、つるっぱげになった広瀬すず が一言。

「私、不治の病なの」

って丸坊主で呟いてくれれば、神映画だったのに。

……などと、フィルマークスとかいうネットの片隅でブツブツ気持ち悪い寝言を書いている貧乏人なら書くとこだが、俺はそんな野暮な指摘はしない。あ、そうそう。俺は毎日、紅麹のサプリを飲んでいるので、すこぶる体は健康である。広瀬すず にも、このサプリをオススメしたい。

つけくわえておくと、病気といえば、演奏会の審査員が

「思ったことを全部、口に出さずにいられない病気」

だと感じたので、早めの受診をオススメしたい。

おっと、さすがに時間切れだ。本当はこのあと、アイドルと「モンハン」対決をせねばならなかったのだが、このままだと五反田から成田空港に向かう電車に間に合わないので、失礼せねばならない。

「筑豊のティモシー・シャラメ」と言われた俺は、ラスベガスに行ったら美人からモテすぎて困るので、キミら貧乏人との会話も楽しかったぞよ。

余談になるが、カジノでは日本の野球選手の通訳という男と良く会うのだが、お互いに流暢な日本語で会話するくらいに仲良しだということを自慢しておきたい。

それではまた来年!

(おしまい)
むらむら

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