最初に前半のあらすじ:
↓ポール(ティモシー・シャラメ)
〃∩ _, ,_
⊂⌒( `Д´) < ヤダヤダ!
`ヽ_つ ⊂ノ
ジタバタ
〃∩ _, ,_
⊂⌒( `Д´) < 南に行きたくないヨー
`ヽ_つ__つ
ジタバタ
_, ,_
(`Д´ ∩ < ゼンデイヤちゃんと暮らすもん
⊂ (
ヽ∩ つ ジタバタ
〃〃
〃∩ _, ,_
⊂⌒( つД´) < 僕が行ったら悪いこと起きるもん
`ヽ_ ノ ⊂ノ
ジタバタ
∩
⊂⌒( _, ,_) < ママだけ行けばいいじゃん……
`ヽ_つ ⊂ノ
ヒック...ヒック...
∩
⊂⌒( _, ,_)
`ヽ_つ ⊂ノ zzz…
∩
⊂⌒( _, ,_)
`ヽ_つ ⊂ノ zzz…(そして幻想をみる)
半分くらい、こんな感じの話だった、「DUNE」三部作の二作目。
映像は圧倒的。前回の「謎の日傘」みたいなシュール画は影を潜め、代わりに、第三帝国を彷彿とする壮大な帝国の描写や、モノクロの中での花火、そして砂漠と、観てるだけで楽しめる。
全編IMAX撮影でのこのスケール感は、ハリウッドにしか出せない。エンドロール観てると、砂漠のシーンはナミビアとアブダビで撮ったんだろうか。
日本だったら、おそらく
鳥取砂丘ロケ
になって、サンドワームも
ヤツメウナギ
あたりで代用してショボい作品になってただろうに。
冒頭にも書いたように、前半は砂漠の民フレメンの一員であるゼンデイヤと、アトレイデス家の末裔であるティモシー・シャラメのイチャイチャと、ティモシー・シャラメの「南に行きたくないヨー」のイヤイヤがメイン。
どうでもいいが、IMAXの巨大な画面で、
「けんけんぱ」
を延々見せられるとは思わなかった。前作の日傘といい、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、謎に日本要素を入れてくるの、気になる。
■ 後半について
後半は全員悪いやつのハルコンネン家とか皇帝とかがデューンにやってきて複雑な人間関係が明らかになる。俺のようなバカだと頭が混乱して大変だった。
ってか、ティモシー・シャラメ、ポール、っていう名前のハズなのに、なんか3通りくらいの呼ばれ方してなかった? 19世紀ロシアの小説じゃないんだから、ポールでもジョンでもリンゴでも良いから、とにかく統一してほしかった。
ただ中盤以降、ガンガン出てくる登場人物に関しては
「ハゲ・デブは全員、悪人」
と覚えておけば、たいていの人間関係は把握できる。
なのでとにかく
「ハゲ」
「デブ」
「山海塾で暗黒舞踏を踊ってそうな人」
が出てきたら、全員悪人で、間違いない。
■ ハルコンネン家
特に、ハゲ悪人三人衆(デブ1名、デブ1名、山海塾で暗黒舞踏を踊ってそうな人1名)は、三者三様。キャラが立ってて、とても好感が持てる。
三人とも、暴虐の限りを尽くす悪人を憎々しげに演じる(「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のドラッグスの人は、なんかちょっと悲しい感じだったけど)。
ハルコンネン家の砂漠の民に対する無慈悲っぷりは、神戸大学バトミントン同好会と匹敵するくらいヒドいので、ティモシー・シャラメがイケメンでなくても、観客は皆、砂漠の民・フレメンたちに感情移入するに違いない。
どうでもいいことだが、前作に引き続き、ハゲデブ親父の黒いコールタール風呂の入浴シーンがあるのは誰得なん? 俺がプロデューサーならゼンデイヤかフローレンス・ピューの入浴シーンを入れるのだが……なぜにハゲデブ親父の入浴シーン? 相当なマニア向けのシーンなのか?
とはいえ、ちゃんと入浴中、頭まで浸かってるのは「あー、ちょっと頭髪ないの、気にしてるのかなー」と思って、ホッコリしてしまった。
■ 砂漠の民 フレメンたち
翻って、砂漠の民・フレメンたち。
水がとても貴重なので、死体からも水分を吸収する徹底っぷり。どーでもいいが、ハルコンネン家の連中と戦うとき、砂の中から飛び出す「砂サウナ戦法」みたいな変わった戦術を使っててビックリした。
砂から、ちゃんと飛び出て、ハルコンネン家と戦うフレメンたち偉い。俺だったら、砂の中に埋もれてたら
「あー、『砂サウナ』気持ちいいっすー」
って言いながら寝落ちして、絶対にティモシー・シャラメみたいにウトウトする自信あるもの。
ウトウトといえば、冒頭にも書いたティモシー・シャラメの幻覚シーン。スティングがAV男優みたいにパンツ一枚で仁王立ちしてるシーンも入れてほしかったぜ。
あとフレメンというか、特にハビエル・バルデム演じる砂漠の民のボス・スティルガー、予言に詳しすぎ。
「おお、この光景は予言の!」
「あの方は予言されていた人!」
「予言によるとこうなるのだ」
みたいに、予言予言いいすぎ。こいつ、確実に予言マニア。後半は
「はっ! リアルハーサンアルガイーブ!」
って言うだけのマシーンに格落ちしてるし。
あまりの「雷電」的立ち位置に、途中から、スティルガーが喋るたびに
「知っているのかスティルガー!?」
ってツッコミたくなった。
■ その他の登場人物
ツッコミたくなると言えば、完全に独自の論理で行動するティモシー・シャラメの母ちゃん(レベッカ・ファーガソン)も、何をやりたいのか謎すぎてツッコミ待ちとしか思えない。いつのまにか、顔が
「耳なし芳一」
みたいになってるし。
まぁそれ言い出すと、デブ三人衆以外、みんな行動原理が謎なんだよね。ラスト近くのティモシー・シャラメの行動とか、ゼンデイヤから見たらイミフすぎるし。
それよりなにより、砂漠の民フレメンと激烈な戦闘を繰り広げてる惑星デューンに、一族郎党総出でノコノコとやってくる皇帝一族。あまりに危機管理能力が低いというか、リスク耐性なさすぎ。スター・ウォーズだったら、ぜったいにホログラムでしか出てこないとこだよ!?
そんな危機管理能力の低さもあって、ハゲデブ連中は、全員、可哀想なことになっていた。やっぱ、イケメン、ティモシー・シャラメには、ハゲデブが寄ってたかっても敵わないよね。
もしやり直せるのなら、ハルコンネン家は、全員、
「ジェイソン・ステイサム」
が演じて欲しいですね。
(おしまい)