むらむら

デューン 砂の惑星PART2のむらむらのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
5.0

最初に前半のあらすじ:

 ↓ポール(ティモシー・シャラメ)

〃∩  _, ,_
⊂⌒( `Д´) < ヤダヤダ!
  `ヽ_つ ⊂ノ
         ジタバタ

〃∩  _, ,_
⊂⌒( `Д´) < 南に行きたくないヨー
  `ヽ_つ__つ
         ジタバタ

 _, ,_
(`Д´ ∩ < ゼンデイヤちゃんと暮らすもん
⊂   (
  ヽ∩ つ  ジタバタ
    〃〃

〃∩  _, ,_
⊂⌒( つД´) < 僕が行ったら悪いこと起きるもん
  `ヽ_ ノ ⊂ノ
         ジタバタ

  ∩
⊂⌒(  _, ,_) < ママだけ行けばいいじゃん……
  `ヽ_つ ⊂ノ
         ヒック...ヒック...

  ∩
⊂⌒(  _, ,_) 
  `ヽ_つ ⊂ノ  zzz…

  ∩
⊂⌒(  _, ,_) 
  `ヽ_つ ⊂ノ  zzz…(そして幻想をみる)

半分くらい、こんな感じの話だった、「DUNE」三部作の二作目。

映像は圧倒的。前回の「謎の日傘」みたいなシュール画は影を潜め、代わりに、第三帝国を彷彿とする壮大な帝国の描写や、モノクロの中での花火、そして砂漠と、観てるだけで楽しめる。

全編IMAX撮影でのこのスケール感は、ハリウッドにしか出せない。エンドロール観てると、砂漠のシーンはナミビアとアブダビで撮ったんだろうか。

日本だったら、おそらく

鳥取砂丘ロケ

になって、サンドワームも

ヤツメウナギ

あたりで代用してショボい作品になってただろうに。

冒頭にも書いたように、前半は砂漠の民フレメンの一員であるゼンデイヤと、アトレイデス家の末裔であるティモシー・シャラメのイチャイチャと、ティモシー・シャラメの「南に行きたくないヨー」のイヤイヤがメイン。

どうでもいいが、IMAXの巨大な画面で、

「けんけんぱ」

を延々見せられるとは思わなかった。前作の日傘といい、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、謎に日本要素を入れてくるの、気になる。

■ 後半について

後半は全員悪いやつのハルコンネン家とか皇帝とかがデューンにやってきて複雑な人間関係が明らかになる。俺のようなバカだと頭が混乱して大変だった。

ってか、ティモシー・シャラメ、ポール、っていう名前のハズなのに、なんか3通りくらいの呼ばれ方してなかった? 19世紀ロシアの小説じゃないんだから、ポールでもジョンでもリンゴでも良いから、とにかく統一してほしかった。

ただ中盤以降、ガンガン出てくる登場人物に関しては

「ハゲ・デブは全員、悪人」

と覚えておけば、たいていの人間関係は把握できる。

なのでとにかく

「ハゲ」
「デブ」
「山海塾で暗黒舞踏を踊ってそうな人」

が出てきたら、全員悪人で、間違いない。

■ ハルコンネン家

特に、ハゲ悪人三人衆(デブ1名、デブ1名、山海塾で暗黒舞踏を踊ってそうな人1名)は、三者三様。キャラが立ってて、とても好感が持てる。

三人とも、暴虐の限りを尽くす悪人を憎々しげに演じる(「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のドラッグスの人は、なんかちょっと悲しい感じだったけど)。

ハルコンネン家の砂漠の民に対する無慈悲っぷりは、神戸大学バトミントン同好会と匹敵するくらいヒドいので、ティモシー・シャラメがイケメンでなくても、観客は皆、砂漠の民・フレメンたちに感情移入するに違いない。

どうでもいいことだが、前作に引き続き、ハゲデブ親父の黒いコールタール風呂の入浴シーンがあるのは誰得なん? 俺がプロデューサーならゼンデイヤかフローレンス・ピューの入浴シーンを入れるのだが……なぜにハゲデブ親父の入浴シーン? 相当なマニア向けのシーンなのか?

とはいえ、ちゃんと入浴中、頭まで浸かってるのは「あー、ちょっと頭髪ないの、気にしてるのかなー」と思って、ホッコリしてしまった。

■ 砂漠の民 フレメンたち

翻って、砂漠の民・フレメンたち。

水がとても貴重なので、死体からも水分を吸収する徹底っぷり。どーでもいいが、ハルコンネン家の連中と戦うとき、砂の中から飛び出す「砂サウナ戦法」みたいな変わった戦術を使っててビックリした。

砂から、ちゃんと飛び出て、ハルコンネン家と戦うフレメンたち偉い。俺だったら、砂の中に埋もれてたら

「あー、『砂サウナ』気持ちいいっすー」

って言いながら寝落ちして、絶対にティモシー・シャラメみたいにウトウトする自信あるもの。

ウトウトといえば、冒頭にも書いたティモシー・シャラメの幻覚シーン。スティングがAV男優みたいにパンツ一枚で仁王立ちしてるシーンも入れてほしかったぜ。

あとフレメンというか、特にハビエル・バルデム演じる砂漠の民のボス・スティルガー、予言に詳しすぎ。

「おお、この光景は予言の!」
「あの方は予言されていた人!」
「予言によるとこうなるのだ」

みたいに、予言予言いいすぎ。こいつ、確実に予言マニア。後半は

「はっ! リアルハーサンアルガイーブ!」

って言うだけのマシーンに格落ちしてるし。

あまりの「雷電」的立ち位置に、途中から、スティルガーが喋るたびに

「知っているのかスティルガー!?」

ってツッコミたくなった。

■ その他の登場人物

ツッコミたくなると言えば、完全に独自の論理で行動するティモシー・シャラメの母ちゃん(レベッカ・ファーガソン)も、何をやりたいのか謎すぎてツッコミ待ちとしか思えない。いつのまにか、顔が

「耳なし芳一」

みたいになってるし。

まぁそれ言い出すと、デブ三人衆以外、みんな行動原理が謎なんだよね。ラスト近くのティモシー・シャラメの行動とか、ゼンデイヤから見たらイミフすぎるし。

それよりなにより、砂漠の民フレメンと激烈な戦闘を繰り広げてる惑星デューンに、一族郎党総出でノコノコとやってくる皇帝一族。あまりに危機管理能力が低いというか、リスク耐性なさすぎ。スター・ウォーズだったら、ぜったいにホログラムでしか出てこないとこだよ!?

そんな危機管理能力の低さもあって、ハゲデブ連中は、全員、可哀想なことになっていた。やっぱ、イケメン、ティモシー・シャラメには、ハゲデブが寄ってたかっても敵わないよね。

もしやり直せるのなら、ハルコンネン家は、全員、

「ジェイソン・ステイサム」

が演じて欲しいですね。

(おしまい)
むらむら

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