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オーメン:ザ・ファーストのHALのレビュー・感想・評価

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)
3.9
最初の「オーメン」をリアルタイムで見た人間としてはぜひとも見てみたいと思い、しかも評判は良さそうなので劇場へ。ただ、都心の映画館なのに劇場内はガッラガラ。そりゃ若い人でリアルで見た人はいないから興味がわかないのは良くわかる。しかも、日本人は悪魔と言っても全然ピンとこないし。要するにビギニングものを作るのが遅すぎる。ちなみに現在全米ではランキング4位で健闘中。

結果から言うとツッコミどころはあるが作品としては一応まとまっていた。
時代は1971年。当たり前だが「オーメン」が1976年なのでそこに合わせてある。場所がイタリアというのも古い体質の教会というのとイメージが合う。
ちなみに「エクソシスト」は1973年公開。「キャリー」が「オーメン」と同じ1976年。まさに1970年代は名作ホラー全盛の頃と納得。

この映画、心理的に怖いシーンはあるし、気持ちの悪いシーンもある。
ただ、悪魔はエクソシストと違って全身も声も出てこず、手だけ(笑
また、あるシーンにボカシがあり、子供が見るわけでもないのにホラー映画にボカシというのが笑ってしまう。考えが昭和。

教会側の陰謀というか、腐敗というストーリーは確かに新鮮で興味を持つが、悪魔と教会側との接点がイマイチはっきりしないので説得力に欠ける。

ダミアンを生んだのはどんでん返し的に超意外な人物というのは面白いが唐突の気がしないでもない。

衝撃のラストに関しては続編ができそうな気はするが「オーメン」に出演した主演のグレゴリー・ペックがもうこの世にはいないので彼なしでストーリーを考えなくてはならないのが脚本としてかなり難易度がかなり高い気がする。

1作目の「オーメン」のオマージュみたいなシーンや音楽が結構出てくるので往年のファンは見ていると懐かしく感じるかも。

結局この映画が言いたいのは一番怖いのは悪魔ではなく人間だということを感じた。
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