現世に残してきた大切な人に思いを馳せるという話。日本映画らしく静かに感動を呼び寄せる。
少し長くは感じたけど、ゆっくり丁寧にそれぞれの生きた痕跡を辿っていく真面目さが良くて、変に盛った演出もなくて自然体な映画だったのは良かった。藤井道人監督が亡くなった恩師の河村光庸プロデューサーに思いを馳せた映画だったのだろう。
リリー・フランキー演じるマイケルは河村光庸プロデューサーだろうね。ヴィレッジの完成披露の時に、藤井道人監督がとても尊敬していたことを話していたので。息もできないを配給していたので、ヤン・イクチュンの名前が出るのもそういうことだろう。
自分のことを見守っていてくれているのかな。恥ずかしくないところを見せるためにちゃんと生きようって監督は思ったのかな。自分も進学につれて友達と離れ離れになっていくなかでずっと友達でいてくれた親友を突如として亡くしたので、あいつ今の俺見たらどう思うかなってふとした時に思ってしまう。あいつはおれのことバカにしてるだろうな。真面目に生きろバカって。
それにしてもリリー・フランキーの名バイプレイヤーっぷりよ。素晴らしいね。周りの寺島しのぶや田中哲司、森七菜の演技も良かった。半ば群像劇ゆえに長澤まさみよりも周りのキャストたちの存在感が光る。
