inazuma

π〈パイ〉 デジタルリマスターのinazumaのレビュー・感想・評価

3.8
初めて映画館でダーレン・アロノフスキー作品を、しかも未見のデビュー作を拝むことになるとは、人生何が起こるか分かりません。カッコいいテクノミュージックとともに流れるタイトルバックから大興奮。

世の中ぜんぶ数式でできてる!という楽しい信念を持ったマッドな数学者・マックス君の物語。「数式の謎を解いてみせる!僕は諦めない!」と熱くなるマックスの真剣さは伝わりますが考えてることはわからん。。天才にはついて行けん。
「感染症も数式化できる」とか「コンピューターが意思を持つ」とか、タイムリーなキーワードもちらほらと。

主人公を肉体的にも精神的にもとことん追いつめるダーレン節は、さすがはデビュー作と言ったところ。常連のマーク・マーゴリスもいるよ!モノクローム+ブレブレでスピーディなカメラワーク、さらには悪夢をみているかのような演出はどう見ても塚本晋也の『鉄男』。特に駅のホームに佇む人影の演出なんかは塚本作品っぽさ丸出しで、少なからず影響を受けていることは間違いないでしょう!日本の映画に影響を受けている海外の作品は同監督の『ブラック・スワン』や最近だと『イノセンツ』とかもありましたが、個人的にはすごく大好物。
監督、"パクリ"だなんて、これっぽっちも思ってないですよ!

難解だけど割とテンポが良くて、眠くなることはありませんでした。唯一危なかったのが株式市場の話が出てきたとき。株については知識も興味もないので絶対寝ると確信したのですが、良いところで蟻ちゃん🐜が株価予測用のコンピュータをぶっ壊してくれます笑。おかげさまで寝落ちすることなく最後まで観賞できました!ありがとう蟻!🐜

📖パンフレットの感想📖
1500円と結構高いですが、デザインが渋くて超カッコいいし、もちろん情報量も充実しててお腹いっぱいだし、何より昔の名作映画のパンフレットが現代ならではのアレンジでまた作られること自体が最高過ぎます。マッドな難解ワールドにどっぷり浸れること間違いないので買っといて損はないはず!グッと堪えて1500円をなんとか💸!(注:映画関係者ではありまへん)
数学講師の山口氏による数式を交えたレビューが頭痛くて個人的にツボでした。
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