回想シーンでご飯3杯いける

我、邪で邪を制すの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

我、邪で邪を制す(2023年製作の映画)
3.7
昨年末に台湾で劇場公開されたクライム・アクション映画が、早くもNetflixで配信開始。

銃による大量殺人で指名手配となっていた主人公。唯一の肉親だった祖母を亡くし自分も余命わずかと聞かされ、自首を決心するものの、いざ警察に行ってみると、自分は指名手配No.3で、顔も覚えられていない。そこで、自分よりも有名なNo.1とNo.2を殺して名声を得ようと思いつく、、、、という何ともぶっ飛んだストーリー。

バイオレンス・シーンもなかなかのもので、特に先端恐怖症気味の人は閲覧注意かも。しかし、そうしたドロドロの展開だけに留まらず、絵になるカットが多いので侮れない。無軌道であまり頭が良さそうに見えない主人公なのだが、画作りの妙によってだんだん魅力的な男に見えてくる。

後半は一転して、胡散臭い宗教施設が舞台となり「ミッドサマー」的な展開を見せる。一歩間違えれば笑ってしまいそうなキワキワの世界観。出てくる人、出てくる人、みんな狂っている。

ヒロインを演じるワン・ジンは、「赤い糸 輪廻のひみつ」や「僕と幽霊が家族になった件」等、最近の台湾映画で活躍中。本作では胸糞ジジイにいたぶられる女性として登場。これまでとは違う役どころに挑戦している。

最近見た台湾映画はハズレ無し。韓国映画とも違う辛口なバイオレンス表現と、どこか懐かしさを感じる映像美で、独自の個性を確立している。