東朴幕院

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 4K復元版の東朴幕院のレビュー・感想・評価

5.0
初見は午後ロー的な1時間半枠なので、ストーリーの全体像は全く網羅出来ていなかった筈もラストの三つ巴の決闘シーンに痺れてしまった本作。
遂に劇場での鑑賞となりもう感動・感激しかないね。

イーストウッド演じる善玉ブロンディとイーライ・ウォラック演じる卑劣漢テュコがふとした出会いからお尋ね者賞金詐欺的な行為をして稼いだが、命を張るのとロープを打つ抜く責任とのバランスの問題からかコンビが解消となってしまい、それ以降は騙し合いの関係に。
それとは別にリー・ヴァン・クリーフ演じる悪党エンジェルが隠された南軍の軍資金20万ドルを追っていくのと交差していくストーリーは中々楽しめる。
本作の良し悪しの部分として長尺なストーリーであるが、エピソードとして削るのが難しいのも分かる様な気がしたね。
エンジェルの残忍さ、テュコの狡猾さを十分に表現するシーンもあったしね。テュコの銃の腕前はそれがあったが、エンジェルの腕前は本作では省略されたか? まぁそれよりもマカロニの代名詞である登場人物への執拗なまでのリンチシーン。ブロンディも危うく砂漠で御陀仏となる所に駅馬車と出会った事でねぇ。
そしてサッドヒルでの決闘からのラスト。あそこはマカロニとして完璧な仕上がりだったと思うよ。

前二作と比べて、イーライ・ウォラックが加わった事でコメディリリーフの余地が生まれた事で、この壮大なストーリーが飽きずに完結出来たのだと理解した。ウォラックは『荒野の七人』のカルヴェラといい達者な俳優だね。サッドヒルでアーチ・スタントンの墓を探すのに墓地を走り回るテュコはまるで天使の様に手を可愛く振って走っているのがとても印象的だ。
そして最後にブロンディの『おいら善玉』とクレジットされると毎回吹いてしまうのを我慢出来ない。ブロンディこそ狡猾に悪党なのにねぇ。
もう壮大なストーリーに阿保なツッコミが入るテンポ外しなエンディングも最高に皮肉が効いていて大好きな作品だよ。
東朴幕院

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