実の息子になんてことを演じさせるのか。
『タイトロープ』でも娘を出演させているが、これも泥棒に売春宿に飲酒にマリファナというハードな内容(通過儀礼とも言うが)で、この監督は何を考えているのだかと思っていた。
だが、この作品も『タイトロープ』も、監督特有の感覚で判断したものなのだ。
後にこの甥役のカイル・イーストウッドはミュージシャンになり『グラン・トリノ』では父に、自ら作曲した主題歌を歌わせてもいる。
父親として何をしてやれたかを考え、仕事に打ち込みすぎたことを反省した『運び屋』を観てはじめて、この映画の価値がわかるかもしれない。
イーストウッド監督の作品歴もふまえたとき、この映画はさらに面白くなる。
クリントイーストウッドにはロード・ムービーがよく似合う。