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世界の果てまで3キロ
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『世界の果てまで3キロ』に投稿された感想・評価

reb
3.2
「EUフィルムデーズ2026」イメージフォーラムで鑑賞。
17歳の少年アディは、ルーマニア、ドナウデルタにある故郷の村で夏休みを過ごしていたが、ある夜地元の少年たちに襲われる。

アディはクラブで出会った青年とイチャイチャしてたのを、地元の権力者のドラ息子たちに見つかり、暴行を受けたのだった。
この事件をきっかけに、のどかで美しい村の本当の顔が見えてくる。

男と男がそういうことをするのがどうしても信じられない父親。
神父に助けを求める母親。
そんなことをするヤツが悪いと、加害者側は反省無しで、息子がゲイだとバラされたくなかったら、被害者届けを取り下げろと脅す権力者。
引退間近で面倒事を嫌がり、全てを無かったことにしようとする警察署長。
ゲイになったのはワクチンのせいではないかと言うトンデモ神父。

アディは両親によって監禁され、縛られて悪魔祓いをされる。暴行されたのに、親によって更なる暴行とは‥。

ゲイがいることは村の恥で、それは徹底的に隠すしかないと、自らの保身に走る人たちは、誰もアディの気持ちなんて考えてやしなくて反吐がでる。

ただひとり、友人の少女はアディのことを心配してくれ、ついに彼は両親や村と決別する。
舟で狭い湿原を抜け、広々とした黒海に出た時の解放感に、アディと共に身を委ねた。
[中期ムンジウ作品を混ぜ合わせてみたら] 60点

2024年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、クィア・パルム受賞作。2025年アカデミー国際長編映画賞ルーマニア代表。エマヌエル・プルヴゥ(Emanuel Pârvu)長編三作目。大学受験を控えるアディは夏の間、ドナウデルタにある故郷の村に帰って来る。ある夜、彼は通りで酷く殴られて帰宅し、"平和"に見えていた村の亀裂が可視化されていく。アディが襲撃されたのは彼がゲイだということが地元の有力者のドラ息子たちにバレたからだった。有力者の男は父親に"バラされたくなかったら被害届を取り下げろ"と脅し、警察署長も同調する。両親はゲイの"治療"を神父に頼み、本人不同意の悪魔祓いの儀式まで行う。神父は"ワクチン打ったか?"とワクチンの副作用でゲイになったかのような指摘すらする。ルーマニア・ニューウェーブの指摘してきた腐敗や差別、医療不信、共産時代懐古といったトピックの総まとめか。というよりも驚くのはとにかくムンジウをパクり倒していることだ。『4ヶ月、3週と2日』以降、あまり映画の仕事はしていないラウラ・ヴァシリウを母親役に抜擢し、ゲイを悪魔祓いで"治療"しようとする宗教右派という『汚れなき祈り』の構造と、大学受験前に子供が暴行されたので両親が右往左往するという『エリザのために』の構造を流用し、なんなら正対する二人の人物を真横から撮るという『エリザのために』の構図まで流用している(ラストでカメラに向き直るところまで一緒)。違うのは色調が明るいことくらいか。あとは、訴えを取り下げようと有力者が裏で手を回していたり、警察官がそれに加担したりと『おんどりの鳴く前に』の権力者連中とも重なって見えた。これらの、風景や物語構造の既視感、及び当事者であるアディが基本的に蚊帳の外であることは、明白に本作品の弱点でもある。両親がアディのことを全く理解しようとしないまま、保身のためだけに形式的な謝罪をしたっぽいという地獄みたいな展開は、誰もクィア当事者の感情なんか考えてないという点でおおよそ現実を反映したものなのだろうとは思うけど、映画までそれに加担していいのか?と思うなど。

後半でアディの唯一の味方である友人のイリンカの通報を受けた児童相談所の職員たちが都市部から来て、特に神父からゲキヤバな発言を多数引き出してはいるが、アディへの事情徴収の際には周りに有力者(大人)と襲撃犯を置いてしまっているし、結局丸め込まれてるし、グダグダのまま終わってしまった。
4.0
閉鎖的な村での大人たちの振る舞いがとにかく酷くイラつく
クイア要素もあるがむしろ個人を尊重するのが大切
メッセージが伝わった
基本的な映画の手法を押さえながら、そのカメラの写すものはあまりに美しく目に優しい
ラスト、川幅の狭いのを進んでいくとまるで海のように景色が開けて、あれだけ胸糞な人たちを見せられたのに何故か最後はスッキリしてしまう不思議

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