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ワーテルローのmaroのレビュー・感想・評価

ワーテルロー(1969年製作の映画)
3.5
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★★★
    音楽:★★★☆☆

ナポレオン最後の戦いである「ワーテルローの戦い」(1815)を題材にした映画。
『戦争と平和』(1956)に並ぶほどスケールの大きい内容だった。

エルバ島へ流されたナポレオン(ロッド・スタイガー)だけど、密かに脱出して再起を図ろうとしているのが本作の始まり。
再びフランスの地へ戻ってきた彼を迎えるフランス軍の兵士や民衆たち。
ナポレオンの持つカリスマ性を感じることができる印象的なシーンだ。

その後、ややダイジェスト的に話が進んでいき、後半はもうずっとメインとなるワーテルローの戦い。
『戦争と平和』同様、当時はCGなんてないから、ここで描かれる大軍勢はすべて生身の人間。
実際の戦闘では英独蘭仏合わせて総勢20万の大軍が激突したそうだから、今回の映画でも万単位のエキストラが使われているだろうな。
しかも、『戦争と平和』よりさらに激しいバトル。
銃撃戦や爆撃、歩兵や騎馬隊の激突など、実際の戦争の様子が伝わってきそうなぐらい白熱したシーンで、メチャクチャ圧倒された。
陣形を組んでそれが崩されてって、まるで『キングダム』のようだけど、それをガチで再現しているところがすごい。

ただ、映像自体はすごいものの、映画として面白かったかと言うと個人的にはそこまで(笑)
ナポレオン最後の戦いってことでとても歴史的に大きな出来事ではあるんだけど、ナポレオンのことをあまり知らないとそこまで感慨深さを感じないかなあ。
場面転換がわかりづらいのもあまりハマらなかった理由かも。
ワーテルローの戦いの前に、本来ならリニーの戦いとカトル・ブラの戦いもあるんだけど、映像としてはリニーの戦いが終わった後しか映っておらず、そこで部下の報告で「ウェリントンをカトル・ブラを撃退しました」というセリフだけで済ませちゃってたから、予備知識がないと何のことかさっぱりで(笑)
逆に言えば、ナポレオンが好きで、彼の人生を知っている人ならば、この映画はかなり楽しめるんじゃないかと思う。

そんなわけで、後半の戦闘シーンだけでも一見の価値アリの映画だった。
ナポレオンについての知識をもっと持った上でもう一度観てみたい。
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