Donguri5656

五瓣の椿のDonguri5656のネタバレレビュー・内容・結末

五瓣の椿(1964年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

(個人的には)
世界遺産級傑作でした。

まずは、
と・に・か・く、
岩下志麻の
すっぴん風の透き通るような美しさに、
男をたらしこむ時のギャップ萌え、

純真な若い女性としての凛とした
可愛さ、可憐さ、

受刑者姿の削ぎ落とされた美しさ、

これら場面場面の美しさに、
終始見惚れる。

なんとなく「復讐物」くらいの情報は
あったけれど、

前半は、ホワイダニットのミステリ風に
進み、黒澤の「乱」を思い出させる火事
のシーンにびっくり。
ミニチュアじゃないよね⁈
映像の迫力と主人公の一線を超えた
感情のドラマが重なり鬼気迫る。

まさかのインターミッションに続く
第二部は、主人公が捜査、協力者、病気
など、追い詰められる中、目的を達せ
られるのか?というデッドリミット型
サスペンスで、ますます目が離せず、
長さも全く気にならない。

時代を背景とした女性映画的要素に、
アブナイ近親相姦物まで重要な要素
として入れ込み、

トドメは、ラスボス戦の達成感で終わる
かと思いきや、官憲側の葛藤、主人公の
ようやく手に入れた安息に、それを
わざわざ揺るがす、どんでん返しの葛藤
と、てんこ盛りの社会派映画でもあり、
見終わっても、爪痕を残され、
安易な解放感を許さない。

豪華なセットがなせるドリーショットも
贅沢。

特報は完全にミステリっぽくなってて
興味深い。
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